音楽配信サービスやインターネットラジオが普及し、通勤・通学途中や外出時にもイヤホンをつけて音楽などを楽しむ人が多く見受けられるようになりました。音楽配信サービスなどの音声メディアの普及にともない、新たな広告手段として音声広告の活用が注目を集めています。

今回は、音声広告とはどのようなものを指すのか、音声広告の特徴や今後の市場について紹介していきます。

音声広告とは

音声広告とはテレビや新聞での広告とは異なる、音による広告であることは想像がつきますが、具体的にどのようなものを指すのでしょうか。

音楽やネットラジオ配信サービスで流れる広告

音声広告とは、これまで音声での広告として主流だったラジオ広告と、近年登場したポッドキャストや音楽配信サービスといったデジタル音声メディアを用いた音声広告の総称を指します。

音声広告は「オーディオアド」とも呼ばれていますが、インターネットラジオの「ラジコ」の提供する広告商品が「ラジコオーディオアド」という名称であるため、それ以外は「デジタル音声広告」や「ラジオCM」などと分けて呼んでいる場合もあります。

音声広告の種類

音楽配信サービスなどさまざまな音声メディアで活用される音声広告にはいくつか種類があります。

デジタル音声広告

主に「サブスク(サブスクリプション)」と呼ばれる定額制の音楽配信サービスやインターネットラジオといったデジタル音声メディアを活用した広告です。一例としては、音楽配信サービスの曲の合間に音声広告を挿入して、その広告収入は曲の権利を持つ音楽レーベルなどへ支払われるというしくみです。

対話型音声広告

現在、スマートフォンの音声アシスタントが発端となり、ユーザーの音声を認識して情報検索や機器操作を行うAIアシスタントを搭載したスマートスピーカーが一般化されています。そのスマートスピーカーでの音声認識からユーザーの趣味・関心を識別して広告の配信を行うのが対話型音声広告です。

対話型音声広告についてはまだ構想段階のものですが、将来的にはユーザーとAIアシスタントが広告に対する関心の有無や類似商品の検索・購買などを対話する形でやりとりが可能になるとされています。

音声広告の特徴・メリット

新たな広告媒体として広がりを見せる音声広告ですが、実際に音声広告を活用するにあたってどのようなメリットがあるのでしょうか。ここではラジオCMと分けて、デジタル音声広告についての特徴を紹介します。

ユーザーにあわせて配信できる

上述でラジオCMと分けた理由がこの特徴にあります。ラジオCMは一つの番組の中で流れる広告はあらかじめ決まっていますが、デジタル音声広告の場合は、ユーザーの性別などの属性や選択したコンテンツによって広告を振り分けて配信することが可能です。つまり、ラジオCMよりもさらに細かなターゲット設定をした広告配信ができます。

スキップされにくい

例えばSNS広告や動画広告では、ユーザーがその広告に興味がなければスキップが可能な場合が多くあります。一方音声広告の場合、無料のサービスを利用している場合などは音声広告をスキップできない場合があり、イヤホンから流れている限りユーザーの耳には届きます。動画広告などと比較して、スキップされにくく最後まで再生されやすい傾向にあります。

ブランディングの効果が高い

ブランディングとは、ブランドを形成したり、ユーザーに浸透させたりするための様々な活動を指して使用される言葉です。ブランドのメッセージを音によって耳に直接届けるとユーザーの記憶に残りやすいといわれています。

興味を惹きやすい

テレビや動画広告の場合、視覚も聴覚も使うことになりますが、音声広告の場合では聴覚のみを使うために家事や外出時など何か他に作業をしながら聴くことが可能です。そのため、音声広告に関しても「ながら聴取」ができるため煩わしさを感じずに情報を得られ、興味・関心を得られやすいことが考えられます。

記憶に残りやすい

視覚での情報と聴覚での情報を比較すると、視覚で受け取った情報は目に入った瞬間に興味を抱かなければ受け入れないのに対し、聴覚から入った情報は一瞬で判断されることはなく、しかも長期において人の記憶に残りやすいとされています。

今後の音声広告の市場について

注目を集めている音声広告の市場について、現在の状況と今後の見通しはどのようになっているのでしょうか。

アメリカではすでに大きな市場となっている

アメリカにおける音声広告の市場は、音声配信サービスのユーザー数の増加と共に既に急成長を遂げており、今後も音声広告は市場を広げていくと見られています。

日本でも市場が拡大すると予想される

音声広告については日本においても今後市場拡大が予想されています。株式会社デジタルインファクトの調査によると、2020年のデジタル音声広告市場は16億円の見通しで、2025年には420億円規模となり、市場は急速に拡大すると予想されています。

(出典:デジタルインファクト調べ

デジタル機器の進歩

日本における音声広告市場の拡大の理由に、デジタル機器の進歩が挙げられます。スマートフォンの普及に伴い、ワイヤレスイヤホンを活用する人々が増加し、クオリティの高い機種が次々と発売されました。それにより、外出先やランニング中などさまざまなタイミングでデジタル音声メディアを楽しむ機会が増えています。

音楽やネットラジオ配信サービスの拡大

ひと昔前はCDを携帯しながら音楽を聴くことが当たり前の風景でしたが、今ではインターネットに接続しながら音声を楽しめるストリーミング形式が主流になっています。音楽配信サービスやインターネットラジオの普及も、日本における音声広告市場の拡大の理由の一つになっています。

まとめ

今回は音声広告の特徴と今後の市場の予測について説明しました。音楽配信サービスやインターネットラジオが普及し、再生プレーヤー自体がどんどん小型化したことで、いつでもどこでも気軽に音声を楽しめるようになりました。また、スマートスピーカーも今後広く普及することで、ユーザーの趣味・関心に合わせたターゲット設定や広告展開もさらに可能性が広がっていくでしょう。

今後日本でも音声広告の市場は拡大していくと考えられています。「ながら聴取」というユーザーの煩わしさを感じさせない使い方が求められている現在、ライフスタイルに合わせた広告展開の一つに、音声広告を検討してはいかがでしょうか。

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