競合店との差別化や、顧客の再来店率アップ、リピーター化を図るために導入したい施策のひとつがポイントカードです。自店の特徴にあったポイントカードを作成することで、顧客にも自店にもメリットが期待できます。

今回は、ポイントカード導入によって得られるメリットや、作成時に必要な手順、おすすめのポイントカードサービスを紹介します。

ポイントカードの導入は効果的なリピーター獲得施策

自店の運営の施策としてポイントカードを導入することは、リピーター獲得や再来店率アップに効果を期待できます。ここでは、ポイントカード導入が具体的にどのような効果を発揮できるのかを説明します。

再来店のきっかけにポイントカードを活用する

ポイントカードの導入はリピーター獲得につながります。これには、初回来店の顧客に常連客になってもらうために2回目の来店が鍵となることが関係しています。

ポイントカードで、顧客が来店を繰り返すことで得られる特典やメリットがあれば、再来店の動機を作ることができます。限定期間内での再来店やポイント数に応じた割引特典を設定すれば、より顧客に関心を持ち続けてもらうことにも繋がるでしょう。

顧客に定期的に利用してもらうことができれば、ポイントカードによる特典を得てもらうことはもちろん、お店の細かなこだわりやサービスなども何度も利用する中で深く知ってもらうにこともでき、店舗への愛着を持ってもらうことや、ファン作りに繋がります。

ポイントカードで競合との差別化を図る

来店に応じてポイントを付与するポイントカードは、集客するための策としては効果が見込めますが、ポイント付与だけで顧客を自店に取り込み続けるには、実際には簡単ではありません。そこで、先に説明したような、ポイント付与以外のポイント数に応じた割引特典や、プレゼント進呈といった、自店ならではの特典を設定することで、競合となる他店との差別化にもつながります。

顧客データを活用して満足度の向上を狙う

新規顧客へポイントカードを作成する場合、顧客の年齢や居住地域といった情報を新たに取得することができるため、来店頻度や購買傾向をもとにした情報発信やアプローチができるようになります。取得した顧客データをもとに、顧客がどのような商品を求めているか、どのような事柄に対して満足度が上昇するか、といった分析や対策を図り、適切なタイミングで適切な内容の訴求を行うことで、顧客のニーズに合ったアピールができるのです。

ポイントカードの種類は主に2つ

自店でポイントカードの導入を検討する際には、主に2種類の形式から選択することになります。ここでは、物理的なカード、電子化されたカードの両方を紹介しますが、どちらか一方ではなく、用途にあわせて向き不向きを踏まえながら検討するとよいでしょう。

紙やプラスチックなどの物理的なポイントカード

紙製やプラスチック製といった物理的なポイントカードは、多くの店舗で長く採用されていることもあり、顧客にとっても馴染みやすいポイントカードともいえます。また、物理的なカードは自店のイメージや顧客層に受け入れられそうな色味やデザインができることもメリットであることから、新規来店客にも配布しやすい印象があります。

一方で、物理的なポイントカードは、顧客の持参状況によって利用の可否が左右されるため、顧客が持参し忘れたり紛失したりすると、店舗と顧客双方にとってマイナスに働いてしまいます。顧客によっては。カードを毎回持参する必要があることを面倒だと感じる場合や、管理が大変だと感じることもあり、物理的なカードにするデメリットも存在します。顧客の価値観や生活スタイルなどによっても変わるため、一概に対策できるわけではありませんが、カードを忘れても後日レシートと持ってくれば後からポイントを付与する仕組みなど、物理的なカードの利便性を向上する方法を検討してみるとよいでしょう。

電子化したポイントカード

電子化したポイントカードとは、スマートフォンのアプリ上などで利用できるポイントカードのことを指します。スマートフォンアプリの場合、顧客が持ち歩くスマートフォンにインストールされるため、顧客の利便性の向上や紛失しにくいという利点があります。店舗側にとっても、収集した顧客情報をポイント付与以外の自店のサービスに活用しやすいというメリットもあります。

しかし、物理的なカードと比較して、導入や運用時の店舗側のコストが高くなることや、スマートフォンのアプリに不慣れな顧客などによっては敬遠されがちであること、浸透するのに時間がかかる可能性があるといったデメリットもあります。開発にかかるコストや店舗の顧客の属性などを見極めて、導入が見合っているかを考えましょう。

物理的なポイントカードの作り方

自店にポイントカードを導入する場合に、紙製やプラスチック製の物理的なポイントカードにするにはどのような作成方法があるか、3つのポイントを紹介します。

物理的なポイントカードの作り方
  • 印刷会社に外注する
  • ポイントカードを自作する
  • 自作に便利な無料デザイン・テンプレートサイト

印刷会社に外注する

まずは、印刷会社やカードデザインを得意とするデザイナーに依頼する方法です。ポイントカードなどのカード類のデザインが得意な印刷会社やデザイナーであれば、これまでの受注例や既存のテンプレートなどをもとにデザインを決めていくことができるため、事前に細かい指示や書類を準備せずとも打ち合わせを進めていける可能性があります。

自店独自のポイントカードのデザインを希望する場合には、店舗ロゴなどもデザインとして必要になるため、使用するロゴや画像などの素材はあらかじめ用意しておくとよりスムーズでしょう。

ポイントカードを自作する

自店のなかである程度のデザインスキルやパソコンスキルがあるスタッフがいる場合には、ポイントカードを自作することも可能です。パソコンに搭載されているデザインソフトやMicrosoft社のWordを用いて作成することもできます。自店にパソコンがあったとしても、最初から作成しようとするにはデザイン作成のスキルが必要となるため、パソコンスキルがある場合には、インターネット検索で無料のデザインテンプレートを探して利用することがおすすめです。

自作に便利な無料デザイン・テンプレートサイト

インターネット上には、ポイントカードをはじめとした無料のテンプレートを備えたデザイン・テンプレートサイトが存在しています。主なデザイン・テンプレートサイトは下表のとおりです。

サイト名 サイト内課金の有無
Canva 有料プランあり
Adobe Express 有料プランあり
ラクスル なし

「Canva」は、月間アクティブユーザー数1億以上、対応言語数100以上というオンラインデザインツールです。無料プランにおいても100種類以上のデザインタイプ、25万点以上の無料テンプレートのなかから、デザイン作成が可能です。(2023年6月時点)

「Adobe Express」は、10万点以上のテンプレートや、おしゃれなデザイン素材、Adobe Stockの写真素材を活用して、さまざまなデザインを作成できるサイトです。豊富なテンプレートがあるだけでなく、基本的な編集機能や写真編集の機能を無料で利用することができます。(2023年6月時点)

「ラスクル・オンラインデザイン」は、ポイントカードだけでなく、チラシ、名刺など店舗に関するさまざまな印刷物をデザイン作成から発注まで行えるサイトです。無料デザインテンプレートから作成したデザインデータをそのまま印刷依頼することが可能です。(2023年6月時点)

参考:ホーム – Canva
参考:Adobe Expressにようこそ
参考:無料テンプレート充実!オンラインデザイン|印刷のラクスル

電子化したポイントカードの作り方

スマートフォンアプリや無料のポイントサービスを用いて、電子化したポイントカードを作成することもできます。最後に、電子化したポイントカードの作り方を3つ紹介します。

電子化したポイントカードの作り方
  • ポイントカードアプリを開発する
  • 既存のポイントカードサービスを利用する
  • 無料で利用できるポイントカードサービス

ポイントカードアプリを開発する

自店である程度のプログラミングスキルを持っているスタッフがいる場合には、自店でポイントカードアプリを開発するという方法が考えられます。ゼロから開発するため、自店の特性にあったポイントカードアプリを作成することが可能ですが、開発コスト、ランニングコストがかかるうえに、不具合が生じた場合にも自店で解決しなければならないため、難易度の高いポイントカードの運営方法といえるかもしれません。

既存のポイントカードサービスを利用する

できるだけ手間とお金をかけずに、電子化したポイントカードを導入したい場合には、LINE公式アカウントの「ショップカード」など、企業が運営している既存のポイントカードサービスを利用する方法がおすすめです。無料プランを備えているサービスも多く、利用中の不具合にも対応してくれるなど、自社開発に比べて導入上の課題を減らすことができます。

顧客にもなじみやすいサービスを選べば、自店で手間をかけることなくスムーズに導入・浸透することが期待できます。

無料で利用できるポイントカードサービス

企業が運営するポイントカードサービスには、プラン内容によって無料で利用できるサービスがあります。

先に紹介した「LINE公式アカウント」は、LINEが提供するビジネス向けのアカウントです。基本機能にある「ショップカード」は、物理的なポイントカードと同様に、友だち登録をした顧客の来店時や商品購入状況に応じてポイント付与ができ、ポイント数に応じて特典を設定することができます。ポイントカードの発行枚数やポイント付与の状況からデータ分析もリアルタイムで行うことが可能です。(2023年6月時点)

「P+KACHI FREE」は、iPadで運用できる無料のポイントシステムサービスです。顧客はP+KACHIアプリをスマートフォンにダウンロードするだけで、店舗側がポイント発行をすると自動的にポイントカードが発行されます。すでにP+KACHIアプリを利用している顧客であれば初来店でもバーコードを読ませるだけで会員証の発行が可能です。(2023年6月時点)

「みせめぐ」は、POSレジメーカーのビジコムが開発したアプリで、さまざまな業種の店舗で共有して利用できる無料の店舗アプリです。POSレジとクラウドシステムを連動させることで、顧客はアプリを用いて保有ポイントの有効期限や購入履歴なども確認することができます。複数店舗が共有するアプリのため、使用頻度が減ったためにアプリを削除するということの回避が期待できます。(2023年6月時点)

サイト名 サイト内課金の有無
LINE公式アカウント 有料プランあり
P+KACHI FREE 有料プランあり
みせめぐ なし

参考:【公式】LINE公式アカウント|LINE for Business
参考:P+KACHI FREE(ピーカチフリー)|充実機能で使い放題の店舗向け無料ポイントシステムアプリ
参考:【完全無料】店舗アプリ「みせめぐ」| みせめぐなら、無料でもここまでできる。

まとめ

今回は、ポイントカードの作り方や、導入に必要な手順を紹介しました。ポイントカードは、競合店との差別化や顧客の再来店へとつなげるためにぜひ導入したい施策です。自店や顧客の特徴にあわせて、物理的なポイントカードと電子化されたポイントカードのどちらが適しているか、それぞれの利点を照らしあわせながら、自店にあったポイントカード運用を導入してみてはいかがでしょうか。

記事のURLとタイトルをコピーする