お気に入りのお店の料理を自宅や職場で味わえるサービスとして、テイクアウトの他にも注目されているのがフードデリバリーサービスです。店舗にとっても、実店舗以外の新規顧客獲得や、配達スタッフがいなくても実店舗以外でも利益を出したいという場合に多くのメリットが期待できます。今回は、フードデリバリーサービスについて、店舗が導入するにあたってのメリットとデメリット、導入にあたってのポイントやおすすめのサービスについて紹介します。

フードデリバリーサービスとは?

フードデリバリーサービスとは、具体的にどのようなサービスのことを指すのでしょうか?ここでは、フードデリバリーサービスについて2つ説明していきます。

商品を直接顧客に届ける宅配サービス

フードデリバリーサービスとは、電話やインターネット経由などで注文をするだけで、自宅や職場などへ注文した料理を宅配してくれるサービスです。昔から馴染みのある呼び方としては「出前」も同じサービスです。自宅や職場などで注文した料理を食べられる方法には「テイクアウト」もありますが、テイクアウトとは異なり、自分で店舗で料理を注文したり、料理を取りに行ったりする必要がありません。

フードデリバリーサービスは、自分が好きなお店の料理をインターネット上で注文できる仕組みが普及したことで、気軽にいろいろな料理を自宅で楽しめるようになりました。調理や食器類を片付ける手間が少なくなったことからも、今後も需要が見込まれています。

デリバリーを代行してくれるサービスがある

フードデリバリーは、飲食店が調理と配達のいずれも行うだけでなく、注文と配達を代行する業者や注文の取次だけを行う業者もあります。注文や配達のサービスにおいては、サービス事業者に属するスタッフが配達を行う場合と、サービス事業者が個人事業者に配達を委託する形態とがあります。フードデリバリーサービスでよく知られるサービスのひとつとして「ウーバーイーツ(UberEats)」があげられます。米国ではじまったサービスで、2016年に日本に上陸しました。

参考:【ウーバーイーツ】出前&宅配の総合サイト|近くのお店からお持ち帰りも (2023年12月時点)

フードデリバリーサービスを導入するメリット

フードデリバリーサービスを自店の配達手段として導入するには、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、フードデリバリーサービスを自店で導入することへのメリットを紹介します。

フードデリバリーサービスを導入するメリット
  • 低コストで導入できる
  • 新規顧客の獲得につながる
  • デリバリーに人を割く必要がない
  • 実店舗が満席でも注文を受けられる

低コストで導入できる

飲食店が配達までをすべて行うのではなく、フードデリバリーサービスを導入することで、電話注文以外にインターネット上での注文システムを構築したり、配達専門のスタッフを雇ったりする必要がなくなります。フードデリバリーサービスに加入すれば、すでに用意されている決済システムを用いるだけで済むので、加入するだけでフードデリバリーを行うことができます。

新規顧客の獲得につながる

店内で料理を提供するだけの場合、ターゲットはお店周辺に住んでいる顧客が主体となり、顧客の居住範囲は限られてしまいます。一方、フードデリバリーサービスがあることで、さらに広範囲にわたって居住する顧客が利用できることから、店舗側にとっても新規顧客獲得につながることが期待ができます。

デリバリーに人を割く必要がない

自店で調理だけでなく配達も行うという場合、店内のオペレーションに影響のないように、配達専門のスタッフを雇わなくてはならない可能性もあるでしょう。また、配達にはバイクや車といった配達手段も必要になります。フードデリバリーサービスを活用すれば、配達には配達専門の要員を手配してくれるため、人員も乗りものの手配もなく配達が可能です。

実店舗が満席でも注文を受けられる

実店舗が人気店となり、常に満席が続くという状況でも、フードデリバリーサービスを活用すれば、席数以上の顧客が自宅でも自店の料理を楽しむことができます。一度も訪れたことのない顧客であれば、自宅で気軽に注文できるフードデリバリーサービスは自店のおいしさを知る機会にもつながるでしょう。

また、利益面でいえば、自店の席数や回転率だけに左右されずに売上拡大も目指すことが期待できます。フードデリバリーサービスは客席の有無に左右されることはないため、調理のみを行い店舗を持たないゴーストレストランのような形態も可能です。

フードデリバリーサービスを利用するデメリット

フードデリバリーサービスを自店に導入するには、導入までの手間や料理以外にも必要な料金がかかるなどのデメリットも存在します。ここでは、フードデリバリーサービスを導入するデメリットを紹介します。

フードデリバリーサービスを利用するデメリット
  • 登録に審査が必要
  • 対応可能なエリアが決まっている
  • 手数料が発生する
  • 配達時にトラブルが発生する可能性がある

登録に審査が必要

フードデリバリーサービスを導入するには登録申請が必要であり、加盟店となるための審査を経ていよいよ導入可能となります。審査にあたっては、どのような料理を配達できるのか、メニューの作成と画像撮影、価格の設定などの準備が必要になるほか、その後もデリバリーの容器や受注に使うタブレットの手配なども物理的な用意も必要です。サービス業者によっても異なりますが、それらの準備や審査・登録完了には、短くて1週間、長くて2か月以上がかかるため、時間の余裕を見込んだうえで申し込む必要があるでしょう。

対応可能なエリアが決まっている

サービス業者によって、対応可能なエリアが限定されている場合があるため、首都圏など都市部以外の地方では対応できない場合も考えられます。また、個人事業者に配達を依頼するサービスの場合は、配達スタッフの不足で配達が不可能になる可能性もあるため、あらかじめ確認する必要があります。

手数料が発生する

フードデリバリーサービスを導入するには、初期費用だけでなく、サービス利用料や決済手数料、配送代行料といった別途手数料が発生します。目安としては売上の30〜40%が手数料となり、それらの手数料の補填としてデリバリーメニューは価格を高く設定するなどの対策も必要になるため、店舗によっては利益率が低下する恐れも考えられるでしょう。

配達時にトラブルが発生する可能性がある

フードデリバリーサービスからの配達員は、フードデリバリーサービスの直雇用ではなく、委託している個人事業者の配達がメインとなります。そのため、注文内容と商品が異なったり、配達が遅れたりするなどのトラブルの発生は、個人事業者次第ということになります。さらに個人事業者の配達手段によっては、暑さ、寒さなど、配達に不向きな天候状態であることも考えられます。個人事業者などの配達員も既に研修を受けているとはいえ、完璧ではないということも頭に入れておく必要はあるでしょう。

フードデリバリーサービスを選ぶポイント

フードデリバリーサービスを導入したい場合に、どのような観点から選択すればよいのでしょうか。ここではフードデリバリーサービスを選ぶ際のポイントについて3つ解説します。

サービスの知名度

フードデリバリーサービス導入のメリットとして、新規顧客獲得につながることを先にも説明しました。フードデリバリーサービスは知名度が多いほど登録ユーザー数が多いということにもつながるため、多くのユーザーのなかから自店を選択してもらえることに期待が持てます。

ただし、知名度が高く、ユーザー数も多いというフードデリバリーサービスの場合、その分だけ競合他社も多くなるため、差別化できるようなメニュー開発や価格設定も必要になるでしょう。

サービスの対応エリア

配達を希望する顧客は、好みの料理の店舗が配達エリア内かどうかということからも、フードデリバリーサービスを選択します。いくら知名度の高いフードデリバリーサービスであっても、自店のエリアが対応していなければ導入する意味はありません。導入を進める際には、自店の所在地が配達可能エリアであるかどうかをまずは確認しましょう。

手数料の金額

フードデリバリーサービスにおいて、手数料の金額は特に注意すべき点のひとつです。デメリットの項目でも示したように、フードデリバリーサービスの手数料は売上の30〜40%が目安となります。もともと低価格帯で販売するような小規模店舗であったり、手数料の補填としてデリバリーメニューの価格を上げたりするなどで補ったとしても利益率が見込めないという場合には、導入には慎重に検討することが重要でしょう。

おすすめのフードデリバリーサービス3社を紹介

これまでも解説したように、フードデリバリーサービスは自店の所在地や登録に必要な内容によって選択することが重要です。最後に、おすすめのフードデリバリーサービス3社を紹介します。知名度だけでなく、サービス提供エリアや手数料なども比較してみるとよいでしょう。

おすすめのフードデリバリーサービス3社を紹介
  • 出前館
  • menu
  • Wolt

出前館

日本でのフードデリバリーサービスの先駆けといえる存在のひとつである「出前館」は、もともとは各店舗で配達可能な店舗のみを対象としていましたが、2017年から配達代行をスタートさせました。配達については、契約配達員や契約の物流会社などが行い、店舗ごとの配達予想時間がユーザーに示されるため、利用しやすいのが特徴です。

登録店舗数 100,000店舗以上(2021年12月末時点)
サービス提供エリア 全国
初期費用 2万円(2023年11月現在、キャンペーン中により0円)
月額費用 なし
サービス手数料 10%
配達代行手数料 25%

参考:【初期費用0円!】出前館へ出店する | デリバリーなら出前館 (2023年12月時点)

menu

「menu」は、テイクアウト予約サービスとして全国展開するサービスで、24時間の注文にも対応しています。

登録店舗数 91,000店舗(2022年8月時点)
サービス提供エリア 33都道府県
初期費用 5万円(2023年11月現在、キャンペーン中により条件を満たした場合は0円)
月額費用 なし
テイクアウト手数料 13%
デリバリー手数料 35%

参考:【今だけ初期費用無料】menu(メニュー)に出店する|【飲食店様向け】フードデリバリー/テイクアウトサービスを始めるならmenu(メニュー) (2023年12月時点)

Wolt

フィンランド発の「Wolt(ウォルト)」は、2020年に日本でのサービスを開始しました。配達スタッフである配達パートナーは、Woltの適正テストをクリアしなければ登録できないため、配達における質が高く、また、個人の飲食店での登録が多いというのも特徴です。自店で登録をする際にもトライアル期間があるため、自店に向いているサービスかどうかを確認できます。

登録店舗数 要問合せ
サービス提供エリア 24都道府県
初期費用 要問合せ
月額費用 要問合せ
サービス手数料 要問合せ
配達代行手数料 要問合せ

参考:W⁠o⁠l⁠t ウ⁠ォ⁠ル⁠ト: フ⁠ー⁠ド⁠デ⁠リ⁠バ⁠リ⁠ー/食⁠料⁠品⁠や日⁠用⁠品⁠も | 日⁠本 (2023年12月時点)

まとめ

今回は、フードデリバリーサービスについて、導入へのメリット・デメリットや、導入する際のポイントについて解説しました。好きな店舗の好きな料理を自宅に配達してもらえるフードデリバリーサービスは、ユーザーにとってもメリットがあるだけでなく、配達スタッフのコスト削減や新規顧客獲得など店舗側にとってもメリットのあるサービスです。

ただし、自店が配達エリア内に入っていないと導入するメリットがないため、複数のフードデリバリーサービスを比較しながら、自店にあったサービスを検討してみてはいかがでしょうか。

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