自店独自のサイトを立ち上げる知識がなくても、気軽にインターネット上にショッピングサイトを出店できるのがECモールです。短期間で開設することができ、ECモールのサイトによっては集客力が高く、自店のサイトを立ち上げるより高い購入率を期待できます。ただし、さまざまなランニングコストが必要なことや、人気のECモールなら競合率が高いということも考えられるでしょう。今回は、ECモールについての特徴や、出店へのメリットやデメリットについて解説します。

ECモールとは?

インターネット上で買い物ができるECモールについて、具体的にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、ECモールについて、出店形態などの特徴を具体的に解説していきます。

ECモールの特徴

ECモールとは、インターネット上でショッピングモール形式になっているECサイトのことを指します。複数のショップが出店しているショッピングモールのなかに、ひとつの店舗として出店します。

出店側としては、すでにあるECサイトのシステム上に出店するという形のため、店舗独自のショッピングサイトを構築する専門知識がなくてもインターネット上に短期間で開設できるという特徴があります。

ECモールへの出店と自社ECサイトを構築することの違い

ECモールへの出店は、先に説明したように、店舗独自のショッピングサイトを立ち上げる手間が省くことが可能です。一方で、自社ブランドに特徴的なカラーやイメージなどがある場合は、店舗独自のショッピングサイトのほうが、ブランドの特徴にあわせたサイトを構築しやすいでしょう。

また、ECモールへの出店の場合、売上に応じた手数料の発生などが考えられますが、独自のショッピングサイトであれば、手数料などの必要がないため、長期的な利益率を考えた場合にはモールECよりも高い利益率が見込めます。一方で、自社で運営する場合には開設時の初期費用からランニングコストまで自店負担となる点も考慮しなくてはなりません。

ECサイトの運営で必要となるランニングコストは、ドメイン代が年間500〜6000円、サーバー維持費は年間500〜10,000円、独自SSLサーバ証明書は年間10,000〜90,000円、他にも決済代行会社が売上の3〜5%、カートシステム利用料が月額3,000〜100,000円などが挙げられます。

ECモールの種類

複数のショップが出店しているのがECモールですが、具体的には複数の種類があります。ここでは、ECモールの種類について、どのような形態があるのかを解説します。

ECモールの種類
  • テナント型
  • マーケットプレイス型
  • 統合管理型

テナント型

「テナント型」とは、実在するショッピングモールをイメージするとわかりやすいように、モール内のひとつのスペースを借りて出店する形態です。ひとつのまとまりとなっているECモール内に、自店のショッピングページを設置し、商品を販売するという形です。わかりやすいところでは、「楽天市場」、「Yahoo!ショッピング」などがあります。自店の独自性を保ちながら出店でき、モール内を顧客がウィンドウショッピングの形で回遊しながら、認知してもらうことが期待できます。ただし、テナントとして出店する場合の運用の手間を考慮する必要もあります。

マーケットプレイス型

「マーケットプレイス型」とは、「Amazon」をイメージするとわかるように、独自のショッピングページを設置する必要はなく、出品者名と商品情報などを登録するだけで自店の商品を販売できる形です。ショップではなく商品ごとの出品のため、店舗だけでなく個人でも手軽にEC販売をすることができます。ただし、ページ自体はECモール独自の体裁となるため、自店のオリジナリティを発揮することはできません。

統合管理型

「統合管理型」とは、さまざまな店舗が出店できるのではなく、同じ事業者が持っている複数のブランドやショップを一元管理として運営するECモールのことで、アパレル分野などによく見られる形態です。トップページから各ブランドのサイトにアクセスできるような形になっています。事業者独自で運営するため、開設までの手間はかかるものの、ブランドごとに持っていた顧客を一元管理できるようになるのがメリットといえるでしょう。

ECモールに出店するメリット

自店独自のサイトを立ち上げずにECモールへ出店するということにはどのようなメリットを得られるのでしょうか。ここでは、ECモールへ出店するメリットを4つ紹介します。

ECモールに出店するメリット
  • 集客力が高い
  • 手軽に出店できる
  • 購入率が高くなりやすい
  • サポート体制が用意されている

集客力が高い

自店独自のサイトではなくECモールへの出店のほうがメリットがあると考えられる大きな要因として、ECモール自体がすでに集客力と知名度を持っているということが挙げられます。たとえば、何かのアイテムを探しているユーザーの多くは、検索エンジンでそのアイテム名で検索しながらサイトへ流入します。検索エンジンの検索結果の上位表示されているECモールのほうが、自店サイトをいまから立ち上げるよりも自店への訪問確率は高いと期待できるでしょう。

手軽に出店できる

ECモールへ出店する際には、すでにショップページとして用意されたテンプレートに商品登録などの入力をするだけで店舗を立ち上げることができます。一方、自店で新たにサイトを立ち上げるとすると、運用するためのサーバーやシステムの導入やページデザイン、運用スタッフの確保などさまざまな準備が必要です。ECモールへの出店は、出店料などの初期費用がかかるものの、自店でサイトを立ち上げることの時間とコストとを比較すると、ECモールへの出店のほうが手軽だと考えられます。

購入率が高くなりやすい

すでに集客力を持っているECサイトであれば、サイトの知名度だけでなく、購入してもらうためのサイト設計も出来上がっています。集客力のあるサイトであればユーザーの流入が多くなることから、自店の商品を購入する率も高くなりやすくなるでしょう。また、インターネットで買い物をする場合には、ユーザーはクレジットカードをはじめとした個人情報を登録する必要があるため、商品の品質だけでなくサイトのセキュリティ面も判断基準となります。

サポート体制が用意されている

自店のサイトを新たに立ち上げるよりも、ECモールへの出店のほうがサイト構築などのハードルは低いとはいえ、初めてインターネット上に出店する場合は、ECモール出店でさえ、その理解はすぐには難しいものです。しかし、ECモールの中には出店者に対しても運営のためのノウハウを提供してくれるところもあります。出店後の効率化やアクセス解析などの販促施策、コンサルティングサービスなどさまざまなサポートが用意されています。また、自店でのサイト運用では必要なシステム管理も必要がないため、初めて出店するという場合にもスムーズに出店へ進むことが期待できます。

ECモール出店のデメリット

ECモールへ出店して自店の商品の販売を行うには、デメリットもいくつかあります。ここでは、ECモール出店にあたって考えられるデメリットを4つ解説します。

ECモール出店のデメリット
  • 初期費用やランニングコストがかかる
  • 独自性を打ち出しにくい
  • ライバルが多く価格競争になりやすい
  • 顧客情報の活用が難しい

初期費用やランニングコストがかかる

ECモールへ出店する際には、下記のように初期費用をはじめとしたさまざまな費用がかかります。

  • 初期登録料
  • 月間出店料
  • システム利用料
  • 売上手数料
  • 決済サービス個別手数料

月間出店料のような毎月定額のランニングコストがかかるほかに、売上手数料は売り上げに応じた割合で差し引かれ、売り上げが大きいほど手数料も高くなる場合があります。ECモールへの出店はどのような費用がかかるのかを事前にしっかり確認することが大切です。

独自性を打ち出しにくい

ECモールの場合、ショッピングページのカスタマイズは限られており、自店のオリジナリティをデザインに加えたり、好みの機能を加えたりするなどの独自性は打ち出しにくいという点があります。出店を検討しているECサイトの雰囲気が自店のイメージやコンセプトにあっているかどうかを見極めて、納得がいくまで検討を重ねてみましょう。

ライバルが多く価格競争になりやすい

ECモールには競合他社や個人が多く出店しています。先に紹介したように独自性を打ち出しにくいショッピングページの特徴からも競合との差別化を図ることが難しく、価格競争になりやすいのがデメリットといえるでしょう。さらにECモールによっては、同様の商品に関する機能性や価格、ユーザーからの評価といった比較がひと目でわかるようにしているサイトもあるため、打ち出し方によっては競合に顧客が流れてしまうことも考えられます。利益率を確保しながらも競合に勝てるような魅力あるショッピングページであることも重要です。

顧客情報の活用が難しい

自店独自のサイトを運営していく場合、顧客情報やアクセス解析などの情報をもとにマーケティングの施策を立てることができますが、ECモールによっては、そのような情報を提供してもらえないといった場合もあります。そのため、ページ内の滞在時間や遷移先といったような分析に役立つ情報を得られず、販促活動の施策や効率的な運営が難しくなります。検討しているECサイトがどこまで顧客情報などのデータを活用できるかを事前に調べ、難しい場合には自店独自のサイトを立ち上げることも検討する必要となるでしょう。

ECモールの出店にかかる費用の相場

ECモールの出店には、出店へのデメリットでも紹介したように、初期登録料のほかに月間出店料や売上手数料などがあり、おおまかに初期費用、月額費用、各種手数料の3つに分けられます。ECモールごとやプランによって金額は異なりますが、初期費用が安いために出店しやすいというところや、ランニングコストが低いことで長く出店を続けやすいといったところもあります。中には、売上や商品の種類などによって手数料が変わる場合もあるため、「何にどのくらいの費用がどのくらいの頻度でかかるのか」ということをしっかりと確認しておきましょう。

費用の種類 費用の相場
初期費用 無料~6万円
月額費用 無料~10万円
各種手数料 さまざま

まとめ

今回は、ECモールについての特徴や出店する際のメリット・デメリットについて解説しました。インターネット上で出店する形式のECモールは、自店独自のサイトを設置する知識がなくてもインターネット上に短期間で開設でき、集客力が高いというメリットがある一方、競合が多い中でも独自性を打ち出しにくいことや、各種手数料がかかるといったデメリットもあります。複数のECモールを比較しながら、自店に適した出店方法を検討してみましょう。

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