商品やサービスへの興味・関心を高めてもらうためには、顧客の状況に応じて適切なアプローチをしなければなりません。

顧客に段階的なアプローチをする手法として「ステップメール」がありますが、「そもそもステップメールがどのようなものか分からない」「ステップメールはどうやって作ればよいのだろう?」と思う人も多いのではないでしょうか。

今回は、ステップメールの概要やメールマガジンとの違い、ステップメールの作り方や効果を高めるテクニックについて詳しく説明します。

まずはステップメールについて知っておこう

ステップメールで顧客の興味や関心を高めるには、そもそもこの手法がどのようなものであるかを知らなければなりません。

まずは、ステップメールの概要について説明します。

そもそもステップメールとは?

ステップメールとは、「事前に企業や店舗が用意したメールを、設定したスケジュールに沿って自動配信するマーケティング手法」です。

たとえば、顧客が会員登録した日は、「会員登録ありがとうございます。このサービスでは、○○や△△といったお得情報やお役立ち情報を定期的に配信しています」といったウェルカムメールを送信し、顧客の誕生日には「お誕生日おめでとうございます。このメールを受信した日から1ヶ月以内に使えるクーポンを添付します」のようなバースデーメールを送信するといった手法が挙げられます。

このように、ステップメールでは、顧客のアクションや特定の日時にあわせてニーズに適したメールを自動配信できます。企業や店舗との接点を増やしつつ質の高いコミュニケーションを取れるので、信頼関係の構築にもつながります。

ステップメールとメールマガジンの違い

ステップメールと似た言葉に、「メールマガジン」がありますが、これらにはどのような違いがあるのでしょうか。

先述したようにステップメールは、すべての顧客に対してあらかじめ用意してあるメールを、設定したスケジュールに沿って順番に送信する手法です。顧客ごとに登録した時期が違っても、1通目から段階を踏んでメールを送れるので、ストーリー性のあるマーケティングができます。

一方、メールマガジンには、「登録者に対して特定のメールを一斉送信する」という特徴があります。登録者ごとに段階的にメールを送ることはできませんが、企業や店舗の情報を同じ時期に幅広い顧客へアピールしたい場合に効果的です。たとえば、「〇月〇日に特売セールを開催します」「新商品のご案内」のように、ストーリー性を持たせる必要がない情報であれば、メールマガジンで一斉送信したほうが集客や売上を伸ばしやすくなります。

ステップメールはシナリオづくりが重要

ステップメールでは、1通ごとに違った内容のメールを送って顧客の興味や関心を高める必要があります。そのため、あらかじめどの時期にどのような内容のメールを送るのかを決める「シナリオづくり」が重要です。

たとえば、「会員登録した顧客には、企業や店舗に関する説明やおすすめ商品に関する情報を送る」「商品を購入した顧客には、翌日にアフターフォローのメールを送る」「購入してから1週間経過したタイミングで関連商品を提案するメールを送る」といった方法が挙げられます。

シナリオを作る際は、企業や店舗が保有している顧客情報を活用し、年齢層や性別、購買履歴や問い合わせ履歴といった情報をもとに作るのがおすすめです。

たとえば、「購入してから10日経過するとサービスを解約する顧客が急増する」という傾向があるのであれば「購入後7日目にアフターフォローのメールを送る」のようなシナリオを考えられます。

「購入後1ヵ月になると関連商品を探す顧客が増える」というデータが得られれば、「購入後3週間が経過したら関連商品を勧めるメールを送る」などのシナリオを設定できます。

成果につながるステップメールの作り方とは?

ここまでは、ステップメールの概要について説明しました。実際にステップメールを作る際は、次の手順に沿って作業を進めれば売上や集客につなげやすくなります。

以下では、これらの手順について詳しく説明します。

ターゲットとゴールを設定する

ステップメールを作る際は、まずターゲットとゴールを設定しましょう。「どのような顧客にどういった行動をとってほしいのか」を明確にしておくと、メールを受け取る顧客を具体的にイメージしながらシナリオづくりや配信頻度の設定ができるからです。

たとえば、中年層の女性に向けて化粧品を販売する企業の場合、「ターゲットは40代女性で、メールを受け取りながら自社商品の概要や使い方、活用事例を知ってもらい知識を深めてもらう。その後商品を購入した顧客の体験談を交えて特定の商品を勧め、WEBサイトから購入してもらう」といった内容が考えられます。

シナリオを考えながら文章を記載する

ターゲットとゴールを設定したら、前述したシナリオの概念を意識しながら顧客の心に刺さるようなメッセージを考えます。具体例として、次のようなシナリオが考えられます。

1通目 会員登録ありがとうございます。当店は○○に特化した商品を販売しています。登録者には新商品のご案内とともに、お得に商品を購入してもらえるクーポン情報を定期的に配信しています。
2通目 ○○のような悩みを抱えていませんか?自社のこの商品であれば、自分自身で解決できなかった問題を短期間で解消できるようになります。
3通目 今回は、自社商品に関するよくある疑問点をQ&A形式でご紹介します。
Q1:~~
A1:~~
4通目 自社商品を購入したAさんは、実際に利用してみて○○という感想を持たれたようです。Bさんは、△△といった効果を感じて満足しているようです。
5通目 〇月〇日まで!初回購入者に限り自社商品を〇%割引で販売します!
商品の購入はこちらのURLから「https://~~」

このように、配信するメールごとにアピールしたい内容をもとに文章を考えると、スムーズにシナリオを作れます。ただし、売り込みが強くなるとかえって顧客の警戒感を強めてしまうので、メリットや親近感を感じてもらえる内容を心がけましょう。

ステップメールの配信設定をする

シナリオを作成したら、次はステップメールの配信設定をします。配信サービスには無料のものから有料のものまでたくさんあるため、企業や店舗に適したものを選びましょう。

特に「文章の装飾ができるか」「配信数の上限はどれくらいか」「料金設定がどうなっているのか」といった点はしっかり確認する必要があります。また、サービスによって使い勝手も異なるので、複数利用して使いやすいものを選ぶのもよいでしょう。

ステップメールの効果を検証する

ステップメールは、シナリオを作って配信すれば終わりではありません。ステップメールで顧客の興味や関心を高めるためにも、定期的に効果を振り返り、次回送付する際の文章や送るタイミングを変えることが大切です。

効果検証する際は、送信したメールがどれくらい顧客の受信ボックスに届いたかを示す「到達率」や、送信数に対してどれくらい開封されたかを示す「開封率」、メールに記載されているURLがどれくらいクリックされたかを示す「URLクリック率」といった指標を参考にすることが大切です。

検証データをもとにメールの文面や配信頻度を変更すれば、効果測定しやすくなるだけでなく、より集客や売上につながるステップメールが作れます。

ステップメールの効果を高めるテクニックとは?

ここまでは、ステップメールの作り方について説明しました。ステップメールの効果を高めるには、次のテクニックを使うことも大切です。

以下では、これらのテクニックについて詳しく説明します。

インパクトを与える件名にする

ステップメールを開封してもらえるかどうかは、件名によって大きく変わります。

件名でいかに「メールを読んでみよう」という気持ちにさせるかが非常に重要なため、件名の効果検証は定期的に行いましょう。

「自社製品で日常生活を便利にする〇つの方法」「読者限定クーポンのお知らせ」のように、インパクトを与える件名を意識するだけでも、開封率を高めて内容をチェックしてもらいやすくなります。

質問を盛り込んだ内容にする

ステップメールの文章に質問を盛り込むのも、顧客の興味や関心を高める方法のひとつです。

たとえば、「自社商品を○○の場面で活用したらどのような変化が起こるのでしょうか?」といった文章にすると、読者は自然と答えを探すようになります。

「どのような変化が起こるのだろう」「答えを知りたい」と思ってもらえれば、メールをさらに読み進めてもらえるでしょう。

「あなた」を使った文章にする

多くの顧客に送信するステップメールは、大衆向けの内容になりがちです。

しかし、文章に「あなた」のような読者1人ひとりを指す言葉を盛り込むことで、「自分に向けて配信された文章なんだ」という意識を持ちやすくなります。メールであっても「特定の顧客に向けて発信している」イメージを持ってもらえれば、興味や関心を高めやすくなります。

体験談を交えて説明する

どれだけ論理的な文章でも、顧客の心を動かせなければ集客や売上につなげられません。ステップメールを読んだ人に「WEBサイトにアクセスしてみよう」「商品を購入してみよう」と思ってもらうには、体験談を交えて説明するのも効果的です。

たとえば、「ITツールを仕事で使ってみたら、以前よりも業務時間が大幅に短くなりました」「煩雑な業務を自動化できたので、ほかの業務に専念できるようになりました」のような体験談が挙げられます。実際に商品を使った人の体験談を紹介すれば、購入後の様子をより具体的にイメージできるので、購入を検討してもらいやすくなります。

代表的なステップメールを制作できるサービスを紹介

ここまでは、ステップメールの効果を高めるテクニックについて説明しました。先述したように、ステップメールを制作できるサービスはたくさんあるため、それぞれの特長を比較したうえで導入しなければなりません。

以下では、ステップメールを制作できるサービスとして代表的なものを、いくつか紹介します。

エースメール

エースメールは、1ヵ月あたりの配信数は30,000通まで、配信先の登録は1,000件までであれば無料で使えるサービスです。有料プランにするとそれぞれ無制限で使えるようになるため、「実際に使ってみてから本格的な利用を検討したい」という人におすすめです。

また、アンケート機能やクリック測定といった、便利な機能が搭載されているのも魅力です。メールの内容や配信頻度を最適化できる仕組みが整っているので、精度の高いステップメールを作れるでしょう。

エースメール公式サイトはこちら

ワンステップメール

ワンステップメールは、完全無料で利用できるメール配信サービスです。配信数や配信先の件数を気にせずステップメールを作れるので、自由度の高いメールマーケティングができます。

また、ステップメールで重要になるシナリオづくりを複数設定できるのもよいところです。顧客の年齢層や性別など、市場の動向にあわせた配信設定ができるので、より集客や売上につなげやすくなります。

ワンステップメール公式サイトはこちら

オレンジメール

オレンジメールは、デザイン性の高いステップメールを作れるので、読者の興味や関心を高めやすいのが特長です。メールの配信数やシナリオの登録数は無制限ですが、無料プランの場合、配信先の登録件数が100件までとなっています。

また、メールの文章に名前を差し込む機能やワンクリックで登録解除できる機能があるため、より個別性や利便性の高いステップメールが作れるのもメリットです。有料プランに切り替えても30日は無料トライアル期間としてすべての機能機能が使えるので、一度使ってみるとよいでしょう。

オレンジメール公式サイトはこちら

まとめ

ここでは、ステップメールの概要や作り方、効果を高めるテクニックやおすすめのメール配信サービスについて説明しました。

企業ごとに適したメールの内容や配信頻度は異なりますが、複数のパターンを試しながら反応のよい手法を見つけることで集客数や売上アップにつながるステップメールが作れるようになります。ここで説明した内容を参考にして、顧客の興味や関心を高めるステップメールを作りましょう。

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