新商品のアピールやイベントの開催など、店舗の情報をたくさんの消費者にアピールする方法として「チラシ」があります。

チラシ配布は、以前から多くの店舗が活用しているマーケティング手法ですが、これからチラシを活用する人の場合、「チラシにはどのような種類があるのだろう?」「どの種類のチラシを選べば集客効果を高められるのだろう?」と疑問を持つかもしれません。

そこで今回は、チラシの概要や種類ごとの特徴、用紙の種類について詳しく説明します。

そもそもチラシとはどのようなもの?

チラシとは、紙媒体でおこなう広告宣伝の手法です。日本語の「散らし」が語源だといわれており、江戸時代からチラシによる宣伝がおこなわれていたようです。

現在は、新聞の中に折り込んだりポストに直接投函したりすることで消費者にアピールする方法が主流ですが、インターネットやスマートフォンの普及によって、WEBチラシを活用する企業も出ています。

チラシには、「不特定多数の人に店舗の情報をアピールできる」というメリットがあります。「お買い得情報のご案内」「新商品の紹介」「イベント案内」など、幅広い消費者に情報発信したい場合に向いているマーケティング手法です。一方、印刷枚数や配布エリアが広くなるほど費用が高くなったり、ほかのチラシに混ざって読まれなくなったりするというデメリットもあります。

また、同じ紙媒体の広告宣伝方法として、フライヤーやリーフレットがあります。人によってはこれらを混同してしまうかもしれませんが、マーケティング手法としてチラシを選ぶのであれば、これらの違いをはっきりさせておくことも大切です。

以下では、チラシとフライヤー・リーフレットの違いについて詳しく説明します。

フライヤーとの違い

フライヤーには、チラシよりもやや厚みのある用紙を、A6やポストカードサイズで作成するという特徴があります。

一般的なチラシのサイズがA4やB4、A3やB4であることを考えると、チラシよりもサイズは小さくなりがちです。チラシよりも掲載できる情報量は限られますが、そのぶんデザイン性が優れたものが多いため、視覚的なインパクトを与えるのに適しています。

また、フライヤーは、店舗の入り口やレジ周りに設置することで、来店した顧客に自由に手に取ってもらうという使い方をよくされます。チラシとは違い、「店舗に足を運んだ顧客」のように配布する対象が絞られるため、「コストを抑えつつ品質やデザイン性を重視して広告宣伝したい」という店舗に向いています。

リーフレットとの違い

リーフレットは、「leaf(一枚の葉)」を語源としているように、1枚刷りの広告のことをいいます。1枚刷りであるところはチラシと同じですが、A4サイズでチラシよりも厚めの用紙を二つ折りや三つ折り、蛇腹折りして作られるという特徴があります。パンフレットとも似ていますが、パンフレットは複数枚刷りであることから、リーフレットと区別されています。

また、「表面」「中面」「裏面」をうまく使い分けることで、掲載する情報を区別したりストーリー性を持たせたりできるのも、リーフレットの魅力です。チラシよりも掲載する情報を増やしつつ、ポスティングチラシのように各世帯に投函したり、フライヤーのように店舗に置いて自由に取ってもらったりできるので、自由度が高いのもよいところです。

チラシは5つの種類に分けられる

先述したように、チラシにはいくつかの種類があるため、店舗の魅力をより多くの消費者に伝えるためには、種類ごとの特徴を知っておくことが大切です。チラシは、次の5つの種類に分類されます。

以下では、これらの特長について詳しく説明します。

新聞折込チラシ

新聞折込チラシは、その名の通り、新聞の中にチラシを折り込んで広告宣伝する方法です。新聞という媒体が信頼性の高いものであるため、ほかの方法で受け取るチラシよりも信頼感を持って読んでもらいやすいというメリットがあります。

また、シニア層や主婦層のように、新聞購読者が多い消費者層や新聞折込チラシに目を通しやすい消費者層にターゲットを絞ってアピールできるのもよいところです。「シニア向けのマンションギャラリーに足を運んでほしい」「子ども向けプログラミング教室の体験会に来てほしい」といった目的を持つ企業や店舗の場合、新聞折込チラシを活用すればたくさんの消費者に興味を持ってもらえるでしょう。

しかし、近年、インターネットやスマートフォンの普及によって、新聞の購読者数が減少しています。新聞購読者数が減れば、それだけ新聞折込チラシで企業や店舗の情報が届く消費者が少なくなるので、将来的に費用対効果が悪くなる可能性があります。

参考:日本新聞協会

ポスティングチラシ

ポスティングチラシは、一戸建てやマンション、アパートといった住宅のポストに直接チラシを投函する方法です。

新聞折込チラシとは違い、「〇〇町限定で配布する」「一戸建てに住んでいる人だけに配布する」のようにエリアやターゲットを絞ってチラシを配布できるのがメリットです。

また、新聞を購読していない消費者層にも広告宣伝できるので、より多くの顧客を集められる可能性があります。ポスティング業者に依頼すると配布するエリアや枚数が増えるほど費用がかかりますが、自社スタッフで配布すれば外注コストを抑えて配布できるので、場合によってはコストを抑えて広告宣伝できます。

しかし、マンションやアパートによっては、「チラシのポスティングお断り」のように配布先が制限されるケースがあり、ターゲットにチラシをうまく届けられない可能性もあります。

フリーペーパー折込チラシ

フリーペーパー折込チラシは、広告収入で制作されて消費者に無料で配布されている雑誌(フリーペーパー)に折り込むタイプのチラシです。

ショッピングセンターや書店、駅やコンビニなど、エリアやターゲットを絞って配布できるため、アピールしたい消費者層へ効率的に企業や店舗の情報を発信できます。

しかし、フリーペーパーはサイズが決まっているため、新聞折込チラシのように大きなサイズのチラシを使えないのがデメリットです。掲載できる情報が限られているため、要点を絞ってアピールしなければなりません。また、フリーペーパーの種類によって読者層が異なるので、20~30代の女性に向けて飲食店の情報をアピールしたいのであれば飲食店情報が掲載されたローカル誌を、求職者向けに採用情報をアピールしたいのであれば求人誌を選ぶといった戦略も大切です。

同封同梱チラシ

同封同梱チラシは、企業の会員情報誌や通販カタログといった特定の顧客に向けて雑誌や商品などを届ける際に一緒に添えるチラシです。これまで紹介したチラシのように、不特定多数の消費者をターゲットにするのではなく送付先を指定して送付するので、目を通してもらえる可能性が高いというメリットがあります。

しかし、同封同梱チラシは郵送コストがかかりやすいので、送付するものによっては企業や店舗の利益を圧迫する可能性があります。雑誌や商品と一緒にチラシを封入する手間や宛先を記載して配送手続きをするといった手間も生じるので、定期的に費用対効果を検証することが大切です。

WEBチラシ

WEBチラシは、企業のホームページやSNS、アプリなどにチラシを掲載する方法で、これまで説明した紙媒体のチラシとは違い、データとして表示できるのが特徴です。スマートフォンさえあれば時間や場所を問わずチラシをチェックできるので、保管や持ち運びの手間と紛失のリスクを防ぎつつ継続的にアピールできます。

しかし、チラシに掲載する情報量や文字の大きさによっては、「パソコンでは読みやすくてもスマートフォンだと読みにくい」といったことが起こるかもしれません。また、インターネットを利用できない消費者には情報を届けられないので、設定するターゲット層によっては企業や店舗の魅力が伝わりにくくなります。

チラシに使われる用紙の種類

ここまでは、チラシの種類ごとに特徴を説明しました。チラシを作る際は、用紙の種類についても知っておかなければなりません。用紙の種類には、次の3つがあります。

以下では、これらの種類について詳しく説明します。

光沢紙

光沢紙は、文字通り用紙の表面に光沢がある用紙で、触れたときにツルツルとした感覚を得られるのが特徴です。用紙の表面には特殊な薬品が塗られているため、色鮮やかなチラシを作れます。

光沢紙の利用が向いているのは、「写真を掲載して視覚的なインパクトを与えたい」「カラフルなデザインのチラシに仕上げたい」といったケースです。美容室のキャンペーン情報や新しいファッションアイテムの紹介、飲食店のキャンペーン情報や緑豊かな場所で開催するレジャー体験会の案内などの情報発信をする際は、光沢紙を使うことで魅力を感じてもらいやすくなります。

マット紙

マット紙は、光沢紙とは違い、光沢が出ないようにツヤ消ししており、触れたときにザラっとした感覚がする用紙です。色合いも、ややくすんだ仕上がりになるので「落ち着きのあるデザインにしたい」という人に向いています。

マット紙は、名刺や企業案内、地域情報のお知らせなどでよく利用されています。イラストを活用すれば手作り感を出すこともできるので、親近感を持ってもらいやすいでしょう。

普通紙(上質紙)

普通紙は、コピー用紙やノート、メモ帳などに使われているため、日常生活では身近な用紙です。マット紙のように表面の光沢がなく、よりザラザラした質感になっていて、鉛筆で書き込みしやすいのがメリットです。

そのため、普通紙は「商品やサービスの申込書が添付されたチラシ」「アンケートが添付されたチラシ」のように、企業や店舗の情報を伝えつつ受け取った人が記入するタイプのチラシに向いています。文章との相性もよいので、「商品やサービスの魅力を文章で伝えたい」という人にピッタリです。

用紙の厚さにもいくつかの種類がある

用紙の種類を選ぶ際は、質感だけでなく厚さを考えることも大切です。ここでは用紙の厚さの種類について解説します。

チラシの厚さは○kgという斤量(きんりょう)を用いて表されます。
斤量とは、一般的に四六判(788mm×1091mm)と呼ばれるサイズの紙を1000枚積み重ねたときの重さを意味します。

斤量 主な使用用途
70kg/73kg
  • コピー用紙
  • 新聞折込チラシ
  • ポスティングチラシ
90kg
  • フライヤー
  • パンフレット
110kg
  • 週刊誌の表紙
  • ポスター
  • 高級感のあるフライヤー
  • DVDジャケット
135kg
  • 大型パンフレット
  • ポスター
  • 圧着ハガキ
  • 薄めの名刺やショップカード

このように、斤量が大きくなるほど用紙が厚くなります。しかし、スーパーのチラシのように、多くの消費者に毎週配布する店舗などでは、よりコストを抑えて印刷できる「50kg」が選ばれる場合もあります。

また、同じ厚さでも「光沢紙」と「普通紙」のように、用紙の種類によって厚さが違う印象を受けることがあります。用紙を選ぶ際は、複数の厚さのものを印刷して比較するとよいでしょう。

参考:用紙の厚さ・重さガイド(チラシ・フライヤー印刷) | ご利用ガイド|印刷のラクスル

まとめ

ここでは、チラシの概要や種類、用紙の種類や活用場面について説明しました。

ここで説明した内容を参考にして、企業や店舗の魅力が多くの消費者に伝わるチラシを作りましょう。

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