企業が扱う商品やサービスの魅力を、テキストや写真などを活用して視覚的にアピールできるパンフレット。さまざまなデザインのパンフレットがありますが、顧客に読み進めてもらうためには、魅力的な表紙にすることが大切です。

しかし、「どうすれば魅力的な表紙デザインになるか分からない」「自社に適したパンフレットをつくるにはどうすればよいのだろう」と思う人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、魅力的なパンフレットの表紙デザインや、自社に適したパンフレットをつくるポイント、表紙デザインに役立つテンプレートについて説明します。

魅力的なパンフレットの表紙デザインとは?

魅力的なパンフレットの表紙デザインには、次のような特徴があります。

以下では、これらの特徴について詳しく説明します。

ターゲットを惹きつけるトーン

パンフレットは、顧客となるターゲット層に「このパンフレットを開いて読んでみたい」と思わせることが大切です。そのため、パンフレットをつくる際は、「誰をターゲットにするのか」を明確にする必要があります。

たとえば、ターゲットを「40代男性。年収は500万円。家族構成は5歳と3歳になる子どもと妻の4人暮らし。子どもの入学にあわせて新築一戸建てを購入しようと考えている」といったように具体的に設定します。そして、このターゲットをイメージしながら表紙デザインを決めます。

デザインを決める際は、「家族4人が新築一戸建てのリビングで楽しそうに会話している写真を使う」など、ターゲットが魅力を感じそうな雰囲気に仕上げることが大切です。全体のトーンは「未来の楽しい生活」を想像できるような、暖かみのある明るいトーンに統一するとよいでしょう。ターゲットが求める生活をイメージできる表紙にすることで、パンフレットに興味を持ってもらいやすくなります。

コンセプトが分かりやすい

パンフレットの表紙は、写真のトーンだけでなく「コンセプトが分かりやすいか」も重要です。コンセプトが伝わる表紙になっていれば、企業が伝えたいことを瞬時に伝えることができます。

「このパンフレットは新築一戸建ての紹介をしている」「中古マンションの販売情報を掲載したパンフレットだ」のように一目でコンセプトが伝わると、より多くの顧客がパンフレットを手に取ってくれるでしょう。表紙デザインだけで顧客の興味や関心を高められれば、そのまま中身を読み進めてもらい、資料請求や問い合わせ、来店や購入といったアクションにつなげやすくなります。

読みやすいキャッチコピー

顧客にパンフレットを開いてもらえば、商品の情報を細かく伝えることができますが、表紙に記載できる情報量は限られています。そのため、表紙には顧客の目を引く読みやすいキャッチコピーを記載する必要があります。

たとえば「○○市の景色を一望できるマンションが誕生」「理想の新築一戸建てを見つけませんか?」といったキャッチコピーが考えられます。写真だけでもどのような内容が記載されているかをイメージできますが、読みやすいキャッチコピーを添えることで、さらに顧客の興味や関心を高めやすくなります。キャッチコピーも、トーンやコンセプトの分かりやすさを意識して、文言やフォント、配置や色などを入念に検討しましょう。

商品やサービスに適した材質

パンフレットの表紙デザインと聞くと、見た目ばかりイメージしがちです。しかし、魅力的な表紙に仕上げるためには、パンフレットの材質選びも大切です。

たとえば、「ラグジュアリーなマンションを販売したい」と考える場合、「光沢ある厚めの用紙を使って高級感を出す」という選択ができます。

「一般的なファミリー層に対して、自社の新築一戸建てに親近感を感じてもらいたい」と考えているのであれば、「ナチュラル感のあるエコペーパー」を使って、親しみやすいパンフレットに仕上げるのもよいでしょう。

どの用紙がいいか迷ったら、表面にコーティング加工が施された「コート紙」にすると良いでしょう。印刷用紙は、厚手になるほど価格も高くなるので、予算とのバランスも考えて選びましょう。

参考:【パンフレット作成】紙は美画像を表現できるコート紙がベスト!

従来のイメージを覆す斬新なデザイン

業種によっては競合企業が多いため、パンフレットのデザインが他社とかぶってしまうかもしれません。また、「獲得できる新規顧客が伸び悩んできたため、新たな顧客層を取り込みたい」と考える企業もあるでしょう。

その場合、これまでのイメージを覆す斬新なデザインの表紙にすることで、新たな顧客層にアピールできるようになります。たとえば、高齢者向けの住宅を販売する企業では、シニア層をターゲットにしてパンフレットをつくるのが一般的です。しかし、スタイリッシュかつ現代的なデザインにして、ターゲット層の子どもに向けたパンフレットをつくれば、「親と一緒に高齢者向け住宅の購入を検討しよう」と思ってもらいやすくなります。

自社に適したパンフレットをつくるポイント

ここまでは、魅力的なパンフレットの表紙デザインについて説明しました。先述したように、制作するパンフレットによっては競合とかぶる可能性があるため、独自のデザインを考える必要があります。自社に適したパンフレットをつくるポイントは、次の4つです。

以下では、これらのポイントについて詳しく説明します。

配置を決めてから文章を考える

パンフレットの表紙デザインを考えるときは、まず配置を決めてから文章を考えます。文章や写真の選定から始めると、パンフレットに文字を詰め込みすぎてしまったり、写真の被写体サイズが合わなかったりと、仕上がり時のバランスが悪くなりがちです。

文字や写真の配置を決める際は、事前に配置図を考えて、「どこにどれくらいの大きさの文字を何文字入れるか」「写真の大きさや配置をどうするか」をある程度定めておきます。その配置図に沿って文章や写真選定を進めると、スムーズに表紙を作成できます。

情報を詰め込みすぎない

パンフレットを見た顧客は、表紙を見てから中身に目を通すか決めます。そのため、「表紙を見ただけで多くの情報が伝わるよう、たくさんの文字や写真を載せる」のように考える企業もあるかもしれません。

しかし、あまりにもたくさんの情報が掲載されていると、かえって読みにくくなるため注意が必要です。「企業の意図を伝えるにはどのキーワードが必要か」「1枚で商品やサービスの魅力を伝えるにはどのような写真を撮ればよいか」などを考えて、掲載内容を取捨選択することも大切です。

競合のパンフレットを参考にする

顧客が魅力を感じるパンフレットの表紙をつくるには、競合のパンフレットを参考にすることも大切です。

「競合を参考にするとオリジナリティを出せないのでは?」と思うかもしれません。しかし、競合がつくるパンフレットは多くの顧客が魅力を感じるものになっている可能性が高いです。それらの良い点を参考にし、その上で独自の強みやアピールポイントを盛り込むことで、顧客に手に取ってもらいやすく、オリジナリティーのあるパンフレットをつくることができます。

競合のパンフレットを探す方法は、インターネット上で検索したり店舗に足を運んでチェックしたりする方法があります。文字の大きさやフォント、写真のチョイスや全体のトーンなど、活かせそうな部分は積極的に自社パンフレットに取り入れましょう。

プロに撮影を依頼する

どれだけ商品やサービスの質が優れていても、パンフレットに掲載されている写真の質が低いと顧客の興味や関心を高められません。どの業界でも同じことがいえますが、魅力的なパンフレットは写真の質がとても優れています。高品質な写真をパンフレットに掲載するには、プロのカメラマンに撮影を依頼するのがおすすめです。

もちろん、「自社にプロのカメラマンが在籍している」「写真の加工を得意とする従業員がいる」という場合は、外部のカメラマン依頼する必要ありません。もし、プロカメラマンに撮影を依頼する場合は、企業のイメージ通りの写真に仕上がるよう、入念に打ち合わせすることが大切です。

表紙デザインに役立つテンプレートを紹介

効率的にパンフレットの表紙デザインをするには、テンプレートを活用するのがおすすめです。ここでは表紙デザインに役立つテンプレートを提供するサービスを3つ紹介します。

以下では、これらのテンプレートの詳細を説明します。

PIXTA

「PIXTA」は、ホームページやブログに使う画像を選ぶ際に活用する人が多いサービスで、6,035万点以上の写真・イラスト素材を1点550円から購入できます。

PIXTAは日本人の素材が多いのが特徴で、パンフレットの表紙に適した画像も、多数掲載されています。

無料で使えるデザインテンプレートを活用すれば、費用を抑えつつオリジナリティのあるパンフレットに仕上げることも可能です。PowerPointを使ってパンフレット制作を進められるため、専用のソフトをインストールする必要もありません。画像やテキストを変えるだけで作業を終えることもできるため、「なるべく時間をかけずに魅力的なパンフレットをつくりたい」という人におすすめです。

PIXTA公式サイトはこちら>(2021年4月時点での掲載内容を参照)

Canva

「Canva」は、2018年から日本でサービス提供を始めたオーストラリア発のサービスです。無料で利用できるテンプレートは25万点以上。デザイン性が高いものが多いため、初心者でも顧客の興味や関心を高める表紙を簡単につくることができます。

また、パンフレットのデザインソフトはパソコンにしか対応していないものも多いですが、Canvaはスマートフォンやタブレットでつくることも可能です。ドラッグアンドドロップで直感的に操作できるため、「使用方法が分からなくて作業が進まない」といった悩みを抱えることなく素敵なパンフレットに仕上げられます。

Canvaは無料で利用できるサービスですが、よりデザインにこだわりたいなら月額1000円の「プロ」コースもおすすめ。7,500万点を超える写真、動画、イラスト素材を自由に使用でき、より自分好みのパンフレットデザインを作成できます。

Canva公式サイトはこちら>(2021年4月時点での掲載内容を参照)

pngtree

「pngtree」は、選べるテンプレートが10,000以上と、無料で使えるコンテンツが豊富に用意されているのが魅力です。パンフレットはもちろんのこと、チラシデザインも作成できるため、幅広いシーンで活用できます。

サービスによっては、テンプレートが多くてもアレンジに使える素材が少ないものもあります。しかし、pngtreeはアレンジに使える素材も多数掲載されているため、自由度が高く、オリジナリティのあるパンフレットの作成が可能です。

pngtree公式サイトはこちら>(2021年4月時点での掲載内容を参照)

まとめ

ここでは、魅力的なパンフレットの表紙デザインや自社に適したパンフレットをつくるポイント、表紙デザインに役立つテンプレートについて説明しました。

中身を読み進めてもらえるパンフレットをつくるには、複数パターンのパンフレットをつくったり定期的に効果測定したりすることで、デザインを改善させることが大切です。ここで説明した内容を参考にして、集客や売上につながるパンフレットをつくりましょう。

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