マーケティングにはさまざまな方法がありますが、店舗の魅力をたくさんの顧客に知ってもらう方法に「スタッフブログの運用」があります。

しかし、「どうすればスタッフブログから集客や売上につなげられるのだろう」「スタッフブログを開設したけれど更新を続けられない」といった疑問や課題を感じる人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、スタッフブログの投稿で得られる効果を説明したうえで、集客や売上につながるスタッフブログを書くポイントや更新を続けるコツ、スタッフブログの効果を改善する方法について紹介します。

スタッフブログの投稿で期待できる効果とは？

スタッフブログを始めると、次の効果が期待できます。

以下では、これらの効果について詳しく説明します。

新たな潜在顧客にアピールできる

企業が成長を続けていくためには、顧客数を継続的に増やしていく必要があります。
しかし、中には「目に見える顧客にはアプローチはできているが、顧客数の成長が鈍化してきた…」という課題を抱えている企業もあるでしょう。

そのような企業がさらに多くの顧客を獲得するには、「潜在顧客」にアピールする必要があります。

潜在顧客とは、まだ自社製品やサービスのことを知らないが、存在を認知させられれば顧客化する可能性がある人々のことです。

スタッフブログを運用すると、ほかのマーケティング手法ではアプローチできなかった潜在顧客に企業の情報を届けられます。検索エンジンでスタッフブログがヒットしたり、SNSで記事が拡散したりすれば、さらに多くのユーザーにアクセスしてもらえるようになります。

商品やサービスへの興味・関心を高められる

スタッフブログをうまく運用すれば、読者の悩みに対して解決策を提示するなかで、自然に「自社がどのような商品・サービスを開発しているのか」といった情報を読者に伝えることもできます。

その場では購入してくれなかったとしても、継続的にアプローチすることで、将来的に自社の商品・サービスの購入につなげることも可能です。

顧客との関係性を深められる

潜在顧客に対して集客効果を高められるスタッフブログですが、既存顧客との関係性を深める効果も期待できます。たとえば、「自社商品を活用して日常生活をさらに便利にする方法」「サービス導入後のユーザーの反応」といったコンテンツが挙げられます。

今まで知らなかった使い方や、サービスを利用した他者の反応を把握できると、さらに自社商品やサービスへの愛着を強めてもらえます。自然な流れで新製品や関連商品に誘導すれば、購入数を増やせたり長く利用してもらえたりするでしょう。

自社スタッフの成長につながる

スタッフブログは、「顧客のアクションを促すために運用するもの」と思われがちですが、スタッフブログを運用すると、自社スタッフの成長にもつながります。

先述したように、顧客を来店や購入といった行動へつなげるには、企業の商品やサービスに魅力を感じる記事を投稿しなければなりません。そのため、質の高い記事を投稿するには、自社の商品・サービスに関する詳しい知識を身につけるとともに、顧客に分かりやすく伝える能力が求められます。

「スタッフブログの執筆」というアウトプットが、スタッフ自身の知識の定着や情報伝達能力の向上につながるため、営業やマーケティングといったブログ以外の業務でも高いパフォーマンスを出せるようになります。

集客や売上につながるスタッフブログを書くポイント

ここまでは、スタッフブログの投稿で期待できる効果について説明しました。集客や売上につながるスタッフブログを書くには、次のポイントを意識することが大切です。

以下では、これらのポイントについて詳しく説明します。

顧客目線でブログを書く

スタッフブログを書く際は、「いかに読者に役立つ情報を記載するか」を重視する必要があります。価値がある情報であるほど顧客の悩みや課題を解消しやすくなり、顧客に「この企業のブログが役に立った」と思ってもらいやすくなるからです。

「今日は非常に忙しく、昼食をとる時間もありませんでした」などの日記のような内容では顧客の興味を引くことは難しいでしょう。企業が書きたいことではなく、顧客が知りたいことを第一に内容を考えましょう。

また、Googleなどの検索エンジンで、「価値のあるブログだ」と評価されれば、スタッフブログが検索結果で上位表示されやすくなります。検索順位が高いほど、ほかのユーザーにブログを読んでもらいやすくなるので、さらに潜在顧客をサイトに呼び込めます。

キーワードを意識して執筆する

ブログには顧客に役立つ情報を盛り込むのが前提ですが、ブログのタイトルや文章を考えるときは「キーワード」を意識するのも大切です。

ここで言うキーワードとは、検索エンジンに入力される検索ワードのことです。

ブログを書くときは「どのキーワードで検索するユーザーを狙いたいのか」を考える必要があります。

なぜなら、検索エンジンで疑問や課題を解消しようとする顧客は、自分の悩みをキーワードに置き換えて検索しているからです。サイトの中身がキーワードと関連性がないと、「自分の悩みを解決してくれなさそうだな」と判断され、すぐに別のサイトを探しに行ってしまうでしょう。

キーワードごとに「顧客がどのような悩みを抱えているのか」をイメージして、疑問に答える内容に仕上げれば、価値の高いスタッフブログに成長させられます。

悩みや課題の解決方法として、企業の商品やサービスの利用が効果的であることを盛り込めば、さらに集客数や売上を伸ばせるでしょう。

企業の想いやこだわりを伝えて差別化する

特定の商品やサービスに対するニーズがある顧客は、自社のスタッフブログだけでなく他者のブログも見ている可能性が高いです。そのため、顧客から選ばれる商品・サービスにするには、企業の想いやこだわりを記事に盛り込み差別化していくのがおすすめです。

たとえば、ファッションアイテムについて検索したときに、デザイナーや職人のこだわり、アイテムの特長などが詳細に記載されていると、そうでない商品よりも興味や関心を持ってもらえるのではないでしょうか。

単に商品の色やサイズといった事実を記載するのではなく、背景やストーリー性が含まれた内容が伝わるように意識すると、より売上を伸ばしやすくなります。

スタッフブログの更新を続けるコツ

顧客に、「しっかり運用されているブログだ」「魅力的な情報がたくさん掲載されている」と思ってもらうには、スタッフブログの更新を続けることが大切です。

しかし、ブログはある程度長期的な視野で更新し続けなければならないので、「今後も書き続けられるか不安」と思うかもしれません。

スタッフブログを長く運用できるように、以下ではブログ更新を続けるコツについて詳しく説明します。

スタッフブログを書く目的を明確にする

先述したように、スタッフブログは長期的な視野で更新を続けることで、集客や売上につながります。

モチベーションを維持してブログの更新を長く続けるにはブログを書く目的を明確にすることが大切です。たとえば、「ブログからの商品購入数を〇個にする」「ブログからの問い合わせ件数を〇件にする」といった目標が考えられます。

目標達成によって企業の利益に貢献できたことが分かれば、モチベーションを高めてブログ更新を継続しやすくなります。

ブログを更新する担当者を決める

パソコンで文章が打てれば、誰でもスタッフブログを更新することは可能です。

しかし、スタッフごとにブログの品質に差が出ると安定的に記事を投稿できなくなるため、ブログを更新する担当者を決めるのがおすすめです。

以下では、スタッフブログを更新する担当者の選び方を2つ説明します。

• 文章力がある人を選ぶ
• ITリテラシーのある人を選ぶ

文章力がある人を選ぶ

企業が伝えたい内容を分かりやすい文章でアウトプットするには、一定の文章力が求められます。文章力が高い人は、専門的な内容を顧客に伝わりやすい言葉に置き換えて表現できるからです。

企業によっては「ブログ更新をスタッフ全員で交代しておこなう」といったルールを設けているかもしれません。しかし、スタッフによって、文章力が異なるため、記事によっては顧客が読みにくくなる可能性があります。スタッフブログを通じて企業の印象を高めるためにも、できれば文章力が高い人をブログ更新担当者に起用しましょう。

「文章を書いた経験のあるスタッフがいない」という場合も心配する必要はありません。ライティングのスキルは、経験とともにある程度誰でも身につけることができます。

担当者を固定することで、徐々に文章力がついてきて、顧客に読まれる記事にするにはどうすればよいかも分かってくるでしょう。

ITリテラシーのある人を選ぶ

どれだけ文章力が高いスタッフでも、ITリテラシーが低いと思わぬトラブルが生じる場合があります。たとえば、「よかれと思って記載した内容で顧客の心を傷つけてしまい、企業の印象を悪化させてしまった」のような事例が考えられます。

近年、スマートフォンやSNSが普及したことから、個人が簡単に情報発信できるようになっています。もし「不適切な記事で傷ついた」という投稿が広まると、企業のブランド力が著しく低下するかもしれません。そのため、ブログ更新の担当者を選ぶ際は、普段からSNSなどを利用しており、どのようなコンテンツが炎上するリスクがあるのかを理解した人材を起用する必要があります。

炎上リスクに関しては見極めの判断が難しいため、慣れないうちは責任者や店舗オーナーが内容をチェックしてから公開したほうがよいでしょう。

ブログ更新を業務の一部にする

本業をおこないながらブログ更新をしている場合、本業を優先してブログ更新が後回しになってしまう可能性があります。

「今月は繁忙期だからブログを更新できない」といった事態が重なると、時期によっては何カ月も投稿が止まってしまうかもしれません。

スタッフブログの更新頻度や記事の品質を維持するためには、「毎週月曜日の午後はブログ更新の時間」のように、ブログ更新を業務に組み込むことで、継続的に記事を投稿できるようになります。

スタッフブログの効果を改善するための方法

スタッフブログの更新を継続しても、「アクセス数が増えない」「集客や購入につながらない」と悩むこともあるでしょう。

スタッフブログの効果を改善するには、次の3つの方法を実践する必要があります。

以下では、これらの方法について詳しく説明します。

アクセス状況を解析する

スタッフブログの効果を改善させるには、まずブログへのアクセス状況をデータで可視化し、分析することが大切です。アクセス状況を解析できるツールはたくさんありますが、代表的なものとして「Googleアナリティクス」があります。

このツールはGoogleが無料で提供しているもので、サイトの訪問者数やブログごとのアクセス数、顧客の属性やアクセス経路といった幅広いデータを手軽に分析できます。

「SNSからのアクセスが多いからSNSでブログの情報を積極的に発信しよう」「狙っているキーワードでのアクセス数が少ないから、タイトルや文章に含めるキーワードを改善させよう」といった施策につなげると、アクセス数を増やしやすくなります。

問題点や課題について話し合う

アクセス状況に応じて課題点を洗い出しても、実際のブログに反映されていなければ、集客や売上につながりません。

「課題に対する施策をスケジュール通り実施できたか」「より品質を高めるための運用ルールを設定できないか」「ブログ更新の担当者が悩みを抱えていないか」といったことを定期的にスタッフ間で話し合うことで、よりよいブログ運用ができるようになります。

課題を抽出して改善するサイクルをチームで繰り返せば、ブログから来店や購入をする顧客を増やせるでしょう。

メンバーのモチベーションを高める

話し合いが問題点や課題の洗い出しばかりになると、ブログ更新のモチベーションが上がりにくくなります。

モチベーションの低下は記事の品質に影響する可能性があるため、なるべく楽しんでブログ更新ができる雰囲気づくりも大切です。

具体例として、「多く読まれた記事や魅力的な記事を書いたスタッフを表彰する」といった施策が考えられます。

書いた記事が他者に評価されれば、「もっとよい記事を書きたい」「自分は価値のある記事を書けるんだ」と思ってもらいやすいからです。スタッフのモチベーションが高まれば、より質の高いスタッフブログに成長させられるでしょう。

まとめ

ここでは、スタッフブログ運用で得られる効果を説明したうえで、集客や売上につながるスタッフブログを書くポイントや更新を続けるコツ、スタッフブログの効果を改善する方法を紹介しました。

自社スタッフだけでブログを更新するのもよいですが、必要に応じて外部のライターに執筆依頼するのも方法のひとつです。

費用はかかりますが、外部ライターに依頼すれば本業に専念できるので、より生産性の高い事業運用が可能になります。ここで説明した内容を参考にして、集客や売上につながるスタッフブログを運用しましょう。