飲食店におけるテイクアウトや店頭販売は、イートインとは異なる層や需要を取り込むことで、新規顧客の開拓や社会情勢に対応した集客対策につながります。ただし、テイクアウトのニーズにあわせた商品開発や仕組みづくりなどが必要になるため、さまざまな事前準備や販促手法を検討することが大切です。
今回は、テイクアウトの集客を成功させるために考えておくべきポイントや、具体的な集客手法をご紹介します。
目次
テイクアウトの集客を成功させることで得られる効果

飲食店がテイクアウトを導入することで、主に機会損失の防止や新規顧客の獲得、また既存顧客の新たなニーズの獲得につながります。それぞれ詳しく解説します。
機会損失を防ぎ、売上の上限を増やせる
イートインでの営業には、現実的に席数という制限があります。ランチタイムなどの混み合う時間になると、せっかく店舗を利用したいと思って来てくれた人がいても、入店するまでにかかる時間や列を見て来店を諦めてしまう可能性があります。また、提供するメニューによっては顧客の回転率が低い場合もあり、席数とあわせて1日の売上の上限がある程度決まってしまいます。
テイクアウトを導入すると、席数や回転率に関係なくメニューを販売できます。専用の窓口や対応スタッフなどの準備は必要ですが、イートイン営業とは別軸で売上を作ることができるようになります。利用者の多さで入店を諦める人にも提供できるため、機会損失を防ぐことにもつながります。
新規顧客と既存顧客の新しいニーズを獲得できる
テイクアウトは、入店せずともそのお店の料理を食べられることが魅力です。そのため、イートインするほどの時間が無い人や席が埋まっている場合にも利用したいという人を新しく取り込むことができます。これは、新規顧客を開拓できるのはもちろん、既存顧客の中でテイクアウトのニーズがある層に対しても有効です。
実際に、テイクアウトを利用する人を対象にしたアンケートでは、「テイクアウトを利用した飲食店は初めて利用した飲食店か」という質問に対し、「店内の利用もテイクアウトも初めてのお店」の回答が36.3%、「店内の利用はあるが、テイクアウトは初めてのお店」の回答が62.3%となっており、集客の成果次第で既存顧客も新規顧客も呼び込むチャンスがあることが分かります。
参考:テイクアウトの認知はSNS経由が4割!!消費者アンケートから見る緊急事態宣言後のテイクアウト事情
テイクアウトの集客を成功につなげるためのポイント

テイクアウトでの集客に成功するためには、店内飲食での集客とは異なる視点で考えるべきポイントがあります。テイクアウトならではの課題はどのようなものがあるのか、事前に下記で細かく確認しておきましょう。
決済や受け渡しがスムーズにできる体制を作る
イートインと兼業でテイクアウトを行う場合、通常営業をしながらテイクアウト用の対応を行う必要があります。受け渡し場所や対応スタッフのマニュアルなど、体制を整えておかなければ、テイクアウトがうまくいかないだけでなく、イートイン営業の方にも影響が出てしまう可能性があります。決済が簡単にできるかどうかなど、接客面での対応をスムーズにすることも意識しましょう。
家では味わえない料理を提供する
テイクアウトでは料理の品質ももちろん重視されます。「気分転換においしいものを食べたい」「自炊に飽きた」などの理由でテイクアウトを利用する人もいるため、普段家では味わえない質の料理を提供している店舗は、テイクアウトでも選ばれやすいでしょう。
料理を持ち帰れるようにするための容器や温度などといった制限はありますが、それらを考慮した上でも店舗ならではの味を楽しんでもらえるように、テイクアウトのメニューも工夫するとよいでしょう。「このお店のメニューが家でも外でも食べられる」というメリットを十分提供できているかを考えることが大切です。
衛生面で安心できるか
テイクアウト販売では、衛生面を気にしている顧客が多いです。テイクアウト利用者へのアンケートでも、店舗に求めていることとして「衛生面が安全である」という回答が48.0%となっており、半数近くが衛生面を気にしている結果になっています。使用する容器や袋など料理が直接触れるアイテムを清潔に保つことはもちろん、店頭で販売しているスタッフの振る舞いや見た目にも気を付けましょう。店舗全体で衛生面についての認識をしっかり共有しておくことが大切です。
参考:テイクアウトの認知はSNS経由が4割!!消費者アンケートから見る緊急事態宣言後のテイクアウト事情
ゴミが少なく分別しやすいようにする
顧客にとってのテイクアウトのデメリットとして、ゴミが発生してしまい処理に困るケースがあります。
テイクアウト利用後のユーザーの満足度を高めるためにも、ゴミの量や分別の手間が少ない素材を選ぶなど、食べ終わった後のことまでを考えておくことで、料理だけでなくテイクアウトサービス全体への満足度の向上が図れます。総合的な評価が上がれば、リピートや口コミでの好評にもつながりやすくなるでしょう。
テイクアウトがあることを分かりやすく案内する
テイクアウト営業がうまくいかない場合に考えられるケースとして、そもそもテイクアウトサービスがあること自体を顧客に周知できていない場合があります。イートインの通常営業も行っている飲食店では、テイクアウトも利用できるということが分かりやすく案内されていることが大切です。イートインを利用した顧客に声掛けやレジ付近、店内の販促物でしっかりとアピールしたり、後述する手法で店舗外の人にも知ってもらう工夫をしましょう。
テイクアウト利用につながるオンラインの集客方法

テイクアウトで集客を行う場合、オンラインであれば情報をいち早く手軽に発信することができます。ここでは、オンラインでのテイクアウト集客におすすめなサービスをいくつかご紹介します。
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)は、あらかじめ店舗の情報を登録しておくことで、ユーザーがGoogle検索やGoogleマップを利用した際に店舗の情報を表示させることができるサービスです。特に、Googleマップは店舗付近にいるユーザーやそのエリアを訪れる予定のあるユーザーが利用することが考えられるため、店舗情報をしっかりと出しておくことで、選択肢に入ることができます。
店内の写真や営業時間、位置情報などの基本的な情報に加えて、テイクアウトを行っている事もしっかりと記載しておけば、手軽にテイクアウトの店舗として認知してもらうことができるでしょう。
<Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス) 公式サイトはこちら>
SNS
登録無料ですぐに始められるSNSは、有料の広告ツールよりも柔軟かつ手軽に始めることができます。飲食店のテイクアウト集客に利用できるSNSとしては、主にX(旧Twitter)やInstagram、Facebookなどがあります。SNSはコストをかけずに不特定多数のユーザーに情報が拡散されやすいことがメリットなので、できる範囲でもすぐに始めてみるとよいでしょう。
なお、SNSはそれぞれ独自の特徴や強みがあり、利用しているユーザーも異なります。店舗でターゲットとしている客層がユーザーに多いSNSから初めてみるのがよいでしょう。飲食店の場合は料理の写真も重要になるので、写真や動画の投稿が主となるInstagramがおすすめです。
LINE公式アカウント
SNSと同様に、LINE公式アカウントもスマートフォンの普及により飲食店の集客や販促として活用されているツールの1つです。お友達追加をしてくれたユーザーに直接お店側からお知らせやクーポンを送ることができるため、他のSNSよりも更に情報が顧客に届きやすく、テイクアウトの宣伝にも効果的です。
ただし、まず登録してもらうための導線が必要になるため、店内で案内をしたり他のSNSやホームページなどから誘導したりなどの工夫をしましょう。
テイクアウト利用につながるオフラインの集客方法

テイクアウトの集客では、オフラインのツールを利用するのも効果的です。ここでのオフラインとは、販促物や紙媒体などを指します。特に、近隣地域の方を中心に新規顧客の開拓が期待できるでしょう。ここでは、飲食店のオフライン集客ツールとして使えるものをいくつかご紹介します。
のぼり旗
飲食店が店頭で集客・認知を行うためのツールとしてよく使われているものの1つがのぼり旗です。比較的安価で制作でき、サイズも大きいのでよく目立ちます。一般的なのぼり旗は縦長で印刷面も広いので、テイクアウトという文字も大きくアピールできます。
のぼり旗は、既にデザインが完成しているものから選ぶ方法と、オリジナルデザインで作る方法があります。デザイン完成品でもテイクアウトののぼり旗はたくさんあるので、店舗のイメージにあったものを探してみるとよいでしょう。オリジナルの場合は、店舗名や営業時間など、独自の情報や訴求を入れられることが魅力です。
看板
看板は、店頭に設置することでテイクアウトが可能であることを目立たせることができます。丈夫なものは長期間使用できるため、コストパフォーマンスも優れています。
状況や季節に合わせて都度内容を書き換えられるタイプの看板であれば、日替りや限定メニュー、またテイクアウト以外の内容を訴求する場合にも使い回すことができるため、おすすめです。
折込チラシ
特定の地域の顧客を呼び込むなら折込チラシという手段もあります。新聞に折り込まれるので、新聞購読者の目に届きやすく、紙面も大きいためさまざまな情報を載せることができるのが魅力です。
ただし、新聞を取っていない人には届かないため、店舗のターゲットとユーザーがマッチするかをしっかり考えておいた方がよいでしょう。
ポスティング
近隣を中心に特定の地域に宣伝をする場合は、ポスティングという方法もあります。
先述した折込チラシと比較すると、より幅広い客層に向けてチラシを配布することができるため、テイクアウトを広く認知してもらうには効果的です。
フリーペーパー
街頭や駅などの施設、コンビニなど幅広い場所で無料配布できるフリーペーパーも、テイクアウトの宣伝に活用できます。
ポスティング同様に、折込チラシに比べ幅広い層の顧客へアプローチできるため、新規顧客獲得が期待できるでしょう。
スタッフによる店頭での宣伝
スタッフが店頭に立ってテイクアウトの宣伝をするのも、販促物などを揃えるコストや手間がかからず、すぐに始められるためおすすめです。
実際に店舗のスタッフが立っていることで、お店が営業していることが分かりやすくなったり、訪れやすい雰囲気を作れたりといった効果も期待できるでしょう。
まとめ

テイクアウトのように、店舗でこれまでやっていなかったような新しいサービスを成功させるには、そのサービスにあった販促や宣伝方法を1から考えることが大切です。この記事を参考に、適切な集客方法を見つけていきましょう。