パソコンや学習支援、資格取得など、さまざまな分野のスクールがある中で、開校当初は特になかなか集客を得られないというのが共通の悩み。確実な集客を得るための対策にはどのようなものがあるのでしょうか。

今回は、スクールの集客力アップのために検討すべきことや、有効な広告宣伝の方法などを詳しく紹介します。スクールの開設を検討している方はもちろん、スクールの集客数が伸び悩んでいると感じている方も参考にしてください。

スクール集客のポイント

スクールの集客を図るためには、自身のスクールと競合との双方を詳しく知ることが大切です。ターゲットや特徴などを具体化させることで自身のスクールには今何が必要なのかより明確にできます。ここではスクール集客のポイントを紹介しましょう。

スクール集客のポイント
  • ターゲットを明確化する
  • 競合スクールのリサーチ

ターゲットを明確化する

どのような業種にも共通することですが、スクール展開にあたって、客層を絞ることなく、幅広いニーズにも対応しようとしても、大手との競争に勝つのは難しいものです。ニーズを幅広くしようとすればするほど、スクールの特徴が見えにくく、顧客獲得も難しくなります。

そのため、多くの顧客を得ようとすることよりも、どのような人に利用してもらいたいかというターゲットを、スクールの特性を踏まえながら明確にすることが大切です。年齢、家族構成、地域など、詳細に絞り込むことで、今後の広告展開にも大きく役立ちます。

競合スクールのリサーチ

自身のスクールをオープンさせる地域には、既に競合となるスクールはいくつもあります。また、生徒にとって、新たにオープンしたスクールは特徴も評判もわからないという不安もあり、既に生徒のいる既存のスクールを選んでしまうこともあるでしょう。

確実に自身のスクールを選んでもらうために、競合となる他のスクールはどのような特徴があるか、どのような特別なサービスを行っているのかリサーチしてみましょう。他のスクールと比較して、自身のスクールにはどのような強みがあるかを明確にし、特徴として売り込むことで、それに魅力を感じて訪れる生徒が増えていきます。

スクールの集客の流れ

スクールの集客を得るための流れとして必要なのは、スクールに関心を持った生徒に実際に体験してもらうことです。自身のスクールのよさを伝えるために、体験レッスンは入念な準備から行いましょう。どのような流れで集客の段取りを進めたらよいのかを説明していきます。

体験レッスンを告知する

新たにオープンしたスクールにどのような特徴があり、どのような教え方をするのかを、生徒に実際に体験して理解してもらうというのは、集客方法として大変有効です。チラシやSNS、ブログなどを活用して、自身のスクールのよさを大いにアピールしながら体験レッスンの受講へと促しましょう。

集客がうまくいかない理由の一つが、この自己アピールの弱さです。ここでは自身のスクールに関心を持ってもらい体験レッスンへと進めるのが目的ですので、積極的に告知を行いましょう。

体験レッスンで魅力を伝える

体験レッスンは受講する生徒にとって、そのスクールの雰囲気や実際の授業の様子、先生との相性を知るために有効な手段です。中には他のスクールとの比較対象として受講する生徒もいるでしょう。

どのような目的で生徒が体験レッスンを受講していても、態度や内容は変えずに実際の授業と同様に行い、自身のスクールの魅力を存分に伝えることが大切です。

また、体験レッスンに参加する生徒というのは、スクールに通うことをきっかけに新たな一歩を進もうとしていたり、何か解決したい事柄を抱えていたりすることがあります。そのため、体験してもらうことをゴールとするのではなく、その生徒の背中を押してあげるように次のステップへ促すことが、最終的に集客に結びつく重要なポイントといえるでしょう。

カウンセリングとスクールの説明

体験レッスンで自身のスクールの魅力を伝えた後は、生徒が今抱えている悩みや目標を詳しく聞きながら、コミュニケーションを深めていきましょう。その上で、自身のスクールに通うことで得られることや解決できる課題を伝えていきます。

生徒は「このスクールに入ることで得られるもの」を知ることで、通う価値があるかどうかを判断します。ここは時間をかけてでもしっかり相互理解を深めることが大切です。

スクールの集客方法と特徴

集客のための宣伝手段として、新聞やチラシ、旗など、インターネット媒体以外の紙媒体を主とした「オフライン広告」と、SNSやウェブサイトなどインターネットを活用した「オンライン広告」があります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

オフライン広告

紙媒体などを主としたオフライン広告は、配布エリアを絞り込みやすいことが特徴です。さらに一定の場所に配置する場合は、通行人の数が多ければその分だけ目に留まることが多くなるので、エリアを特定した上で認知度をあげたい場合に有効な手段です。

チラシ

チラシには、手配りやポスティング、スタンド設置、折り込みなどの配布方法があります。いずれもエリアを特定して配布することが可能なので、スクールのような特定エリアの生徒の集客を狙いたい場合に向いています。チラシはシンプルなものであればパソコンで自作もできるので、配布枚数のコントロールや内容の吟味も比較的しやすいでしょう。

新聞広告

新聞広告はチラシ同様に地域を絞った配布が可能です。また、新聞広告の一番の強みは信頼性が高いということと、読者層である中高年や高所得者にアプローチしやすいということにあります。社会的な信用度が高いという新聞の利点をうまく活用すれば、生徒本人だけでなく親御さんからの関心を得られることも可能です。

スクールの建物前に旗を設置することで、スクール周辺の住民や通行人に存在をアピールすることができます。また、目を引くデザインにすることで、体験スクールなどで初めて訪れる生徒にとっては目印になるという利点もあります。

フリーペーパー

タブロイド判や小冊子型のフリーペーパーは、駅構内やコンビニで配布スタンドが設置されていたり、ポスティングされていたりなど、フリーペーパーの特性によって配布方法はさまざまです。主婦層やオフィス向けといった細かいターゲット設定をされているものもあるので、自身のスクールのターゲットに合わせて検討してみるとよいでしょう。

オンライン広告

オンライン広告とは、インターネットを媒体とした広告手段のことです。効果測定などのデータ解析のしやすさはオンライン広告ならではの強みといえるでしょう。一方、情報伝達のスピード感も特徴であるため、こまめな情報更新が必要です。

ウェブサイト・ブログ

自身のスクールのオープンに合わせてウェブサイトやブログを持つことは大きなアピール手段として大変有効です。多くの人にスクールの詳細を知ってもらうことができるため、費用対効果は高いといえます。ただし、自身のウェブサイトを運用するには、アクセス数を増やすための対策などインターネットに関する専門的な知識の習得も必要となります。

X(旧Twitter)

10代から30代と幅広く活用されているX(旧Twitter)にはX広告(旧Twitter広告)というものがあります。一般のツイートの間に広告表示されるもので、不特定多数に幅広く告知したい場合に向いています。ただし、ユーザーが比較的若年層であるためターゲットの絞り方や、ワードセンスが問われるという面でのハードルはあります。

Facebook

Facebookは実名登録制のためプロフィールを把握しやすく、精度の高いターゲット設定が可能です。ユーザーの年齢層も40代や50代に多いとされており、生徒の親となる年齢層をターゲットとした広告展開には有効といえるでしょう。

Instagram

年々ユーザー数が増加しているInstagramは、流行語にもなるほど幅広い世代での情報ツールとして広く活用されているSNSです。Instagramはユーザーがフォローした特定の情報だけを閲覧できるという特性を持っているため、自身のスクールのターゲット設定に基づいて適切な広告展開ができれば、効果を期待することができます。

リスティング広告

リスティング広告は、日本国内ではGoogleやYahoo!といった検索エンジンが展開している広告手段です。ユーザーが検索したキーワードに応じて、検索結果のページの上部に表示されるものです。スクールに関心を持っているユーザーにダイレクトに広告表示をできるため、不特定多数へのアプローチよりも効果は高いといえます。

YouTube

YouTubeは世界中で月間20億人のログイン済ユーザーが利用しているという、圧倒的な人気を持つメディアです。テキストだけ、画像だけという限られた伝達方式では伝わりにくいことも動画という形ならダイレクトに伝えることができ、YouTubeチャンネル上で自身のスクールのウェブサイトやSNSへの誘導も可能です。ただし、動画制作の知識やデザインセンスが問われるだけでなく、アクセス数を増やす対策など考えることが多いので、継続していくための時間も必要となります。

まとめ

今回は、スクールの集客数を増やすには何を検討すべきかについて説明しました。スクールのオープン当初は特に、何を始めたらよいのかわからないだけでなく、アピールをするということに躊躇しがちです。

しかし、自身のスクールがどんな良さを持っていたとしても、アピールしないことには周囲には伝わりません。そのため、体験スクールや広告宣伝など未経験な分野でも、一度は思い切って試してみることが重要です。思考錯誤しながら、自身のスクールにあった集客方法を見つけてみてはいかがでしょうか。

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