飲食店を運営していく上で、味や雰囲気、接客態度などはどれも欠かせないポイントです。しかし集客できなければいずれも意味がありません。

店舗のアピールや集客に欠かせないものとして挙げられるのが看板です。当記事では飲食店をアピールする看板の種類と特長、効果を高めるデザインのコツなどを紹介します。

看板を飲食店に設置する意味とは?

どのような看板にするかを選ぶ前に、まずは飲食店にとって看板を設置することがどのような意味を持つのか、事前に知っておくことが重要です。

ここでは看板を飲食店に設置する意味として「店舗の存在をアピールする」「コンセプトを顧客に伝える」の2つを紹介します。それぞれの内容についてしっかりと理解していきましょう。

店舗の存在をアピールする

看板を飲食店に設置する大きな理由は店舗の存在をアピールすることです。店舗が存在している地区の人に対し、店舗の存在を認知させることが大きな目的といえます。

ただし看板を設置するだけでなく「何を認知させたいのか」を明確にすることが大切です。方針がはっきりしないまま看板を設置してしまうと、その目的を果たせない可能性もあるため、注意しましょう。

コンセプトを顧客に伝える

店舗の存在をアピールするだけでなく、どんなコンセプトのお店なのかを顧客に伝えるツールとしても役に立ちます。飲食店の場合、料理や価格、コースなどを看板に記載しておけば、店舗の特徴を合わせて伝えられます。その結果として通りがかった人に立ち寄ってもらえるなど、集客数アップにもつながるでしょう。

【飲食店向け】看板の種類と特長を知ろう

飲食店向けの看板にはさまざまな種類と特長があります。看板を効果的に活用するためにも、それぞれの違いやメリット・デメリットなどを理解しておきましょう。

ファサード看板

最初に紹介するのがファサード看板です。ファサードとは「真上部分」を意味し、その名の通り店鋪入口の真上部分に取り付ける看板です。

ファサード看板は目に留まりやすく、お店のシンボルとしての役割が大きい看板といえるでしょう。価格はタイプによってさまざまですが、光らないタイプで約7万円~、光るタイプのものだと約13万円〜20万円とピンキリです。

突出し看板(袖看板)

次は突出し看板です。建物の壁面に取り付ける看板で、道路へ文字面を突き出すその様から袖看板ともいわれます。

歓楽街や飲み屋街など、店舗が密集するエリアで見かける方も多いでしょう。歩行中や運転中などにも店舗を認知してもらいやすく、集客効果の高い看板の1つです。タイプによっても異なりますが、約18万円ほどから設置できます。

A型看板

A型看板は、看板を横から見た時に「A」という形に見えることから名付けられました。店頭に置くだけで簡単に設置でき、いつでも片付けることができるため飲食店では特に見かけることの多いタイプの看板です。

大きく分けて「裏表両面に情報を表示できるタイプ」と「片面しか表示できないタイプ」の2種類があります。さらに印刷をしたシートを貼るタイプや手書きができるボードタイプのものまでさまざまです。1~5万円程度と低価格なものが多いことも、A型看板の特徴といえます。

スタンド看板

スタンド看板は店舗前の道に設置されることが多い看板です。移動できる自立式看板とも呼ばれ、飲食店であればメニューや価格などを表示するケースが多いでしょう。

価格は安いもので2~5万円程度となりますが、これはデザインがシンプルな場合です。デザインなどにこだわりたいという人は5~10万円が相場になります。

デジタルサイネージ

デジタルサイネージは液晶などのデジタル技術を使用した看板で、電子看板とも呼ばれます。看板上で動画も流せることから、近年目にする機会も増えてきました。

インターネット回線に接続でき、複数の看板を一元管理できるネットワーク型と、インターネット回線でなく、再生機器を利用するスタンドアロン型があります。表示内容を簡単に変更でき、時間帯や季節でメニューが変わる飲食店とは相性が良いです。

ウィンドウ看板(ウインドウサイン)

ウィンドウ看板とは、窓に貼り付けるポスター型の看板で、ウィンドウサインとも呼ばれています。窓という普段利用しない空いたスペースを活用して店舗をアピールできるのが特徴です。

切り抜いた文字を貼り付けるカッティングシートと、プリントしたポスター大のものを貼り付けるタイプがあります。

旗は飲食店で活用できるタイプの看板です。価格は設置用の器具などを含めても3,000円程度と比較的安価で、大きく目立つので高い集客効果も期待できるためコストパフォーマンスに優れています。

飲食店では、期間限定のメニューや、テイクアウト・お持ち帰りに対応していることなど、強く訴求したい内容を載せるのがよいでしょう。

のれん

のれんは居酒屋を始め、多くの飲食店で利用される看板の1つです。元々は屋内に光や風が入るのを防ぐことを目的に利用されていましたが、現在は集客や店舗の宣伝としても活用されています。

「のれん=飲食店」というイメージが強く、飲食店であるアピールや営業中であることを顧客に簡単に伝えられます。のれんにもさまざまな種類がありますので、目的にあったものを選ぶとよいでしょう。価格はピンキリですが、8,000円程度から作成できます。

店頭幕・懸垂幕

店頭幕・懸垂幕は布やテント地で作成する看板で、ポールやピン、ロープなどを用いて設置します。大きな面積で情報を伝えられるため視認性が高く、イベントなどの告知に利用されるケースが多いです。

価格はタイプによって様々ですが、オーダーメイドの懸垂幕を作成する場合は2,500円程度から利用できます。

タペストリー

最後に紹介するのがタペストリーです。オススメ商品の写真や価格など様々な情報とデザインを印刷し、店頭などに吊り下げて利用できる看板です。ベースとなる生地は化学繊維でできているため雨風に強く、破れにくいといった特徴があります。色も鮮やかに表現できるため、複雑なデザインを印刷する際にもおすすめです。

看板の効果を高める!デザインのコツ

看板の効果を最大限に発揮するためには、看板に載せるデザインのコツを抑えておくことが大切です。店舗の魅力をうまく伝えるためにも、どのような点に気を付けてデザインを作っていけばよいのかを確認しておきましょう。

視認性を高める

看板の効果を高めるためにも、まずはデザインの視認性を高めることを意識しましょう。看板における視認性とは、顧客がその看板をしっかりと見つけられるかどうかや、内容がどれだけ伝わるかということです。

風景と同化していたり、周りのお店に埋もれてしまっていたりすると、当然集客にも大きな効果は見込めません。出来る限りお店の存在が伝わるように目立つデザインを心がけましょう。ただし、あまりに奇抜なデザインにすると顧客に想定外の印象や悪いイメージを与えてしまう可能性もあるため、バランスを考える必要があります。

店のコンセプトを伝えるようにデザインする

店舗のコンセプトが伝わるデザインにしましょう。店内の雰囲気が伝わるようなデザインの看板は集客アップにつながります。

例えば高級店であれば、黒と金を組み合わせたスタイリッシュなデザインにすると、料理の質の良さや店内の高級感を看板から伝えることが出来るかもしれません。一方、隠れ家的な店舗であれば、看板サイズを小さくすることで落ち着いた印象を与えられるでしょう。

他店との違いを掲載する

他店との違いをデザイン内に盛り込むのも効果的です。「どこの国の料理なのか」「何がもっとも美味しいのか」など、飲食店のジャンルをはっきりと記載することで、顧客は他店との違いを理解しやすくなります。

時間帯や曜日によって内容を変える

時間帯や曜日によってデザインの内容を変える方法も有効的です。ランチやディナーなど、状況に応じて内容を変えることで、顧客の目を引きやすくなります。

手書きタイプの看板を用いれば、イラストなどによってお店の雰囲気を演出できるので、さらに集客効果が期待できるでしょう。

飲食店が看板を設置する前に覚えておくべき注意点

飲食店が看板を設置する前には、注意点についても知っておく必要があります。看板は地域によって設置できないものもあります。「作成したけど設置できない」といった事態にならないよう、ここでは2つの注意点を紹介します。

許可がない限り道路に看板を設置することはできない

看板設置の許可を取得しないまま、道路に看板を勝手に設置することはできません。これは道路交通法にも明記されており、看板が敷地からはみ出している場合や電柱などに無断で看板をくくりつけていると、3ヶ月以上の懲役か5万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

また、看板の転倒などで怪我人が出ると、設置した店舗は「不法行為責任」に問われる場合もあるため、看板が不安定でないかなどもしっかり確認しておく必要があります。

参考:不法占用の現状等について

地域によっては設置ができない看板もある

地域によっては、設置できないタイプの看板も存在します。例えば、歴史まちづくりの一環として景観の維持を定めている場合や、公衆に危害のあるものは設置できません。

看板を設置する場合は、条例などの規制に基づいて可能な範囲で設置することが求められます。「せっかく作成した看板が設置できなかった」という事態を防ぐためにも、作成前には店舗のある地域のルールを確認しておきましょう。

まとめ

飲食店が看板でアピールするコツや種類ごとの特長を紹介しました。飲食店が看板を設置することは、店舗のアピールや他店との差別化につながる有効な施策の1つです。

しかし、許可なしではむやみに看板は設置できず、地域によっては設置できないタイプの看板もあります。旗やスタンド看板など店舗にあった看板を効果的に活用するためにも、しっかりとルールを理解した上で適切なものを作成し、集客に役立ててみてください。

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