住居の外壁塗装や屋根塗装などを行う外壁塗装業の場合、顧客にとって外壁塗装は大きな買い物でもあることから簡単に集客を得ることは難しいものです。しかし、従来通りの集客方法以外に新たな施策を探そうと思っても、どのように取り組めばよいのかわからないというのも現状ではないでしょうか。そこで今回は、外壁塗装業者が行うべき集客方法について、おすすめの6つの方法と成功するためのコツを紹介します。

外壁塗装業界における集客の重要性

集客とは、自社の魅力や価値を訴求して顧客の購買意欲を引き起こすことで、商品・サービスの販売へと促す施策のことを指します。外壁塗装業界にとって特に重要なのは、顧客の層に見あった集客方法を見つけ、実施していくことです。

外壁塗装業界において考えられる客層は、以下の3つにわけられます。

  • 自社サービスを知らない層
  • 自社サービスに興味は持っているという見込み客の層
  • そしてサービスを一度は利用したことのある既存客の層
  • さらに、インターネットやスマホでの検索が普及した現代では、消費者の購買行動というのは大きく変化しています。たとえば消費者は必要とする情報をいつでも検索することができるため、訪問営業のような一方的な集客方法を嫌悪する傾向もあります。さらに消費者が「外壁塗装がしたい」と思った場合には真っ先にインターネット検索を行う場合が多く考えられます。そのため、これまでのような訪問やチラシ配布などのオフラインでの集客方法に加え、インターネットというオンラインを活用した集客方法もとりいれた集客方法が重要となってきます。

    外壁塗装業者のよくある悩み


    外壁塗装業者は現場仕事に従事していることが多いため、集客方法についてはもちろん、インターネットについて詳しくないために取り組むことができないという人も多いと考えられます。

    そこで、集客についての知識を勉強する前に、自社において集客がうまく得られていない原因を箇条書きにしてみるとよいでしょう。そうすることで、自社の認知度が低い、よいイメージを持たれていない、料金設定がわかりにくい、などと具体的な問題点が明るみとなり、それらを解決するために適切な集客方法が見えてきます。

    オフラインの具体的な集客方法3選

    インターネットを用いたオンラインでの集客が不得意である場合などは、まずはオフラインでの集客から始めて反響をうかがうことでも効果を期待できます。ここでは、オフラインの具体的な集客方法について3つを紹介します。

    オフラインの具体的な集客方法3選
    1. チラシを制作してポスティングする
    2. 訪問営業を行う
    3. ショールームを開く

    チラシを制作してポスティングする

    ひとつめの方法は、自社サービスを紹介するチラシを制作して、各家庭のポストへチラシを直接投函する方法です。チラシのポスティングは、比較的高齢層やインターネットを普段利用しない層に対して効果が見込める方法であり、自社の商圏範囲で行える方法です。実際に外壁塗装を必要とする住宅やすでに外壁塗装会社を探しているという住宅があった場合には、自社の魅力や料金設定などを具体的に訴求することができるうえに、直接顧客に会える機会があった場合には、会話をすることで親しみを持ってもらえる機会にもなります。

    ただし、チラシのポスティングは自社でチラシを作らない場合には制作費用や印刷代、ポスティング費用などが必要となるため、一度試してみてからその効果を測定し、今後もこの方法を取り入れていくべきかを判断する必要があります。

    チラシ集客について詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。

    効果のあるチラシ集客のコツをご紹介│デザインや作成方法についても解説

    訪問営業を行う

    訪問営業の場合には、近々外壁塗装や屋根塗装が必要になりそうな住宅や、すでに検討を始めていそうな住宅に対して直接訪問してアプローチを行います。訪問営業の場合は、顧客と対面で自社の魅力やサービスのよさを伝えることができ、親近感や信頼を築きやすいというメリットがあります。さらに顧客が抱えている悩みやニーズを聞くこともできます。

    ただし、飛び込みで訪問した場合には外壁塗装を必要としない住宅だったり、家族のなかで決定権を持つ世帯主などが不在だったりすることもあり、効率は決してよいとはいえないでしょう。また、先にも紹介しましたが、直接訪問を好まない家があることや、営業マンの対応や振る舞い、言葉遣いなどによって悪印象を与えてしまう可能性があることも考えながら訪問営業を行う必要があります。

    ショールームを開く

    外壁塗装などの業者が集まるイベントに出店したり、自社が自らイベントやショールームを開いたりして、商圏内の顧客にアプローチするという方法もあります。ショールームやイベント出店の場合は、実際に自社で使用する外壁塗料の紹介やカラーバリエーションの説明などを顧客が直接知ることができるため、インターネットやチラシだけでは得ることができない情報を得られます。また、常に現場仕事が多く、接客に不慣れな企業の場合は、ショールームやイベント出店が自社の魅力をアピールする場として活用することで、顧客との交流を図ることも可能です。

    オンラインの具体的な集客方法3選

    オフラインでの集客の見込みが出てきた場合や、インターネットを普段から多く利用しているという企業の場合には、インターネットを用いたオンラインでの集客方法にも挑戦してみるのがおすすめです。ここではオンラインの集客方法として3つを紹介します。

    オンラインの具体的な集客方法3選
    1. 自社のホームページを作る
    2. SNSを活用する
    3. ブログをはじめる

    自社のホームページを作る

    例えば「外壁塗装」に関する情報収集をしようとする場合や外壁塗装業者の比較を行おうとする顧客がいる場合に、自宅でも検索できるインターネットやスマホを利用する場合も少なくないでしょう。その際に自社の看板ともなる自社サイトの有無は大きなポイントであり、自社サイトがなければ比較対象から外れてしまうことも考えられます。また、自社サイトで見積もり依頼に応じてくれる場合には、顧客が電話やほかの方法であらためて見積もりを依頼する手間も省くことができます。

    また、自社サイトでの発信は、チラシ作成と比較して掲載できる情報量が格段に多く、施工写真などの実績も紹介することで、顧客側も実際に施工するイメージがわきやすくなります。

    自社サイトを設置した際には、検索キーワードの設定などのSEO対策を行うことで、インターネット検索でも上位表示が狙えるので目に止まりやすくなることが期待できます。

    集客できるホームページを作るコツについて詳しくは下記の記事もあわせてお読みください。

    集客できるホームページを作るコツは?失敗しやすいポイントも解説!

    SNSを活用する

    InstagramやX(旧Twitter)、LINEといったSNSを広告宣伝ツールとして活用する企業は増えています。情報発信や自社のブランディングとして、施工実績を紹介したり、会社の特徴や従業員の雰囲気などを伝えたりしながら、顧客とのコミュニケーション手段として活用することができます。

    SNSはそれぞれユーザーのターゲット層が異なっており、情報が拡散するスピードが早いことから、うまく使いわけることで自社をすでに知っている既存顧客だけでなく、今のところは外壁塗装は必要ないという顧客や見込み顧客に対するアプローチにもつながります。

    例えば、九州・福岡を中心に展開している設計・施工会社のWITHDOM Group株式会社では、Instagramで完成見学会の案内やDMで家づくりの相談を受け付けているなど、広告宣伝ツールとして活用しています。

    ユーザーの反響につなげるためには、SNSは定期的に更新することが重要となり、更新が止まってしまうと集客の機会を失う可能性もあるため、注意が必要です。

    集客にSNS活用する方法について詳しくは下記の記事もあわせてお読みください。

    集客にSNSを活用する!SNSごとの特徴と運用のコツを解説


    参考:九州福岡で高断熱・高気密な家づくり – with HOME (2024年2月時点)

    ブログをはじめる

    自社サイトの開設を検討する際に、手軽に始められる方法のひとつとしてブログの設置があげられます。ブログは宣伝目的ではなく、外壁塗装について顧客にわかりやすく伝えることが目的となります。施工前と施工後の写真とあわせて施工内容を紹介したり、色選びのコツや業者選びのポイントなどのような顧客目線の記事を書いたりしても顧客の興味・関心を得られることが見込めます。

    施工事例をコツコツとブログにアップしていくと、ひとつのコンテンツとして内容が充実していき、SEO対策にもつなげられます。

    外壁塗装業者が集客を成功させるためのコツ

    ここまで、オンラインとオフラインを活用した集客方法を紹介しましたが、実際にそれらを活用しながら集客を成功させるのは、どのようなことをポイントとしておけばよいのでしょうか。最後に、外壁塗装業者が集客を成功させるためのコツを4つ解説します。

    壁塗装業者が集客を成功させるためのコツ
    • ターゲットを明確にする
    • 継続が必要な施策はしっかり続ける
    • 施工サービスや料金などわかりやすくする
    • ツールや業者の利用を検討する

    ターゲットを明確にする

    自社が外壁塗装のサービスについて「誰に」「どんなことを」「どのように」伝えたいのか、理想の顧客像は明確になっているでしょうか。顧客が外壁塗装を依頼したいと考える場合、自宅に近い周辺地域からふさわしい業者を探そうと試みます。そのため、自社の商圏地域ではどのような特性があるのか、どのような年齢層が住んでいるのか、比較的新しい住宅が多いのか、古い住宅が多いのか、などといった情報収集を行って、理想の顧客像を具体化していきましょう。

    また、これまで自社で依頼を受けた顧客のなかで、満足度が高かったケースや信頼関係を築けたケースなどを集め、成功に結びついた顧客の分析を行いましょう。自社が求めている顧客像が明確になることでより的確な集客方法が見つけやすくなります。

    継続が必要な施策はしっかり続ける

    先に紹介した自社サイトやSNSなどで集客を図る場合には特に継続が重要になります。更新頻度が高ければ高いほど、サイト内は新鮮な情報が常に掲載されていることになり、その結果、顧客からも情報の鮮度がしっかりしたサイトであるという認識を得られる見込みが持てます。また、顧客からの声にも耳を傾け、顧客のニーズにより近づけるような自社サイトを目指して、日々改善を図りましょう。自社サイトやSNS、ブログは、開設したから集客ができるものではありません。一度開設したのであれば、必要な施策は可能な限り継続することが重要です。

    施工サービスや料金などわかりやすくする

    外壁塗装を行うことは、顧客にとって安い買い物ではありません。そのため、外壁塗装業者を選ぶ際には料金や施工サービスの内容は大きな判断材料となります。近年ではさまざまな一括見積もりサイトがインターネット上に登場しているため、顧客は料金だけでなく、その企業が優良業者であるかどうかの判断もインターネットで簡単に比較することができます。

    万が一、自社で料金表がなかったり、料金表があっても素人ではわかりにくいサービス内容になっていたりした場合には、比較対象として外されてしまうことも考えられます。わかりにくいだけでも不信感を与えることにつながりかねません。顧客目線に立ち、わかりやすい料金・サービス内容であるかを見直してみましょう。

    ツールや業者の利用を検討する

    これまで紹介してきたオンライン・オフラインの集客方法は、すべて行おうとすると時間も予算もかかります。また、これまで行ってこなかった方法を取り入れるとなると、すぐに簡単にできるとは限りません。そこで、自社サイトやチラシ作成はプロに依頼して、SNSだけは自分たちで少しずつ続けていくなど、できるところからの使い分けを行ってみましょう。自社の認知度をあげたいのであれば、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)というインターネットの無料サービスを利用したり、見積もり依頼や資料請求を行いたいのであれば、一括査定サイトに登録したりするのも集客としては高い効果を期待できます。

    まとめ


    今回は、外壁塗装業者が集客を成功させるためのポイントについて紹介しました。

    外壁塗装とは、顧客にとって決して安い買い物ではありません。そのため顧客もさまざまな方法を活用して比較検討を行います。なかでもインターネット検索を活用した情報収集をする人も少なくないなかでは、オンラインでの集客方法を検討する必要があるでしょう。

    チラシ配布や訪問営業、ショールームの開設などは、自社のターゲット層に直接アピールできるうえに、顧客側も施工事例を実際に目にしたり、営業マンと直接接したりすることで信頼感を築きやすいというメリットがあります。一方で、自社サイトやSNSを活用したオンラインでの集客方法では、拡散性や頻繁な更新を利用することで、幅広い層に対してのアプローチや自社のイメージアップにつながることも期待できます。日々の更新を続けていくことで、安定した集客にもつながっていきます。

    一度にすべての集客方法を行おうとするのではなく、自社の成功事例やオンライン・オフラインの経験度などを踏まえながら、自社に適した集客を行ってみてはいかがでしょうか。

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